2005年9月28日(水)「しんぶん赤旗」

「9条の会」結成続く


■音楽

■1062人が賛同

■全国で草の根コンサート

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(写真)ロゴマークの入ったそろいのTシャツを着て記者会見した(右から)呼びかけ人の桂、櫻井、日下部、茂山の各氏=27日、大坂市

 池辺晋一郎さん(作曲家)、日下部吉彦さん(音楽評論家)を世話人代表に三十人の呼びかけで二十七日、音楽家と音楽愛好者でつくる「音楽・九条の会」が発足しました。

 同日、大阪市内で行われた記者会見には、日下部さんをはじめ桂直久(大阪音楽大学名誉教授・オペラ演出家)、櫻井武雄(大阪芸術大学名誉教授)、茂山千之丞(狂言役者)の呼びかけ人四氏が、同会オリジナルのロゴマークつきTシャツを着て出席。

 日下部氏は「音楽こそ平和と九条の尊さを訴えるもっとも有効な手段。草の根でコンサートを開き、一万人、十万人の会にしていきたい」とのべました。各氏も「特攻隊で生き残った。戦争は殺人であり、正しい戦争などない。世界各地で戦争がある。日本だけでなく九条を世界に広げていく時期ではないか」(桂氏)、「戦争ほど人類の大きな罪悪はない。人類の宝である憲法九条をどうしても守らねばならない」(櫻井氏)、「九条を守るために命をかけることは、戦争で殺しあうよりはるかに人間としてすばらしい。これから育つ子どもたちが戦争に行かないよう九条を守り通したい」(茂山氏)と語りました。

 「音楽・九条の会」は、昨年四月と今年三月の二回、大阪で開かれた九条を守るコンサートをきっかけに日下部さんが結成を提唱。連名で七月末、「戦争は社会全体を窒息させ自由に音楽をつくり楽しむこともできなくしてしまいます。平和でこそ美しい音楽が花開きます」と賛同を全国に広く募りました。同日現在、作曲家の小林亜星さんや詩人の、まど・みちおさんら千六十二人が賛同を寄せています。

 来年一月二十六日に大阪市のいずみホールで発足記念コンサートを開くほか、東京でのコンサートや草の根のコンサートを全国で行い、賛同者を広げたいとしています。

■9と平和のPをデザインしたロゴマーク

 音楽・九条の会の記者会見で呼びかけ人がそろって着ていたTシャツにプリントされたロゴマーク。九条の「9」と平和(PEACE)の「P」を組み合わせ、音楽のト音記号に似せてデザインしたものです。

■建設

■発足の集会

■業者・学者・研究者ら

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(写真)「建設人・九条の会」の発足記念集会で講演に聞き入る参加者たち=27日、東京都内

 「建設に携わる私たちは戦争協力を拒否します」。建設産業の分野で仕事や研究活動をする人たちが結成した「建設人・九条の会」が二十七日、東京都内で発足記念集会を開きました。七百三十人が参加しました。

 集会後に開いた発足総会では、「建設に携わる私たちは平和であってこそ役割を果たせる」「建設人の知恵と力を発揮して憲法九条を守るたたかいに奮闘しよう」と掲げた設立宣言を満場の拍手で採択。全国に六百万人といわれる建設関係者に、会への賛同を呼びかけることを提案しました。

 「九条の会」事務局長の小森陽一さん(東京大学教授)は、九条が戦争に加担する公共事業を防いできたと指摘。「すべての建築関係者が命をかけて九条に恩返しすべきときではないかと、みなさんふれ回ってください」と呼びかけました。

 記念講演した弁護士の田中隆さんは、真っ先に戦争へ動員されるのが建設・医療・輸送分野の人たちだとのべ、「建設人にとって九条改憲の問題は遠いかなたのことではない」と強調。「いまこそ憲法を託された民衆の出番」と訴えると、会場は拍手に包まれました。

 集会では、建設関係者の三人が壇上で戦争体験を報告。歌手のきたがわてつさんは、憲法にまつわる歌を披露しました。

 同会は、中小企業の経営者や大学教授、労組役員ら二十六人が呼びかけ人となっています。

■主な分野別「九条の会」

 二十七日に発足した「音楽・九条の会」や「建設人・九条の会」のほかにも、これまで「九条の会」のアピールに賛同するさまざまな分野別の組織が結成されています。主な分野別「九条の会」(略称)は、次のとおりです。

 九条の会・医療者の会/映画人九条の会/九条科学者の会/九条歌人の会/九条の会・詩人の輪/宗教者九条の和/障害者・患者九条の会/女性「九条の会」/スポーツ9条の会/俳人「九条の会」/九条美術の会/マスコミ九条の会など


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