2005年9月21日(水)「しんぶん赤旗」

イラク南部

英軍が刑務所襲撃

兵士奪還目的 戦車突入、住民と衝突


 【カイロ=小泉大介】イラク南部の主要都市バスラで十九日、英軍部隊が拘束された英軍兵士二人の身柄を奪還するためにイラク警察の刑務所に戦車で突入しました。現地からの報道によると、その際、英軍の「主権侵害」に怒った現地住民と英軍の間で激しい衝突が起き、火炎瓶攻撃などで英軍戦車が炎上しました。


 同日朝に私服で情報収集活動をしていた同軍特殊部隊兵士二人が、これを不審に思い近づいたイラク警官に銃撃。警官二人が死亡したとされ、兵士二人は警察に拘束されました。英軍は刑務所周辺に戦車十両を展開させ、刑務所の壁を破壊し突入しました。英軍突入の騒乱状況のなか、同刑務所の受刑者約百五十人が逃走したといいます。

 ワイリ・バスラ州知事は、今回の事態を「野蛮で無礼、無責任なやり方だ」として英軍を厳しく非難しました。英軍当局者は当初、兵士二人は「交渉によって解放された」と主張していましたが、英国防省は翌二十日、現地指揮官が二人を「救出」するために突入を決定したことを認めました。また兵士は刑務所には収容されておらず、市街地の家屋に連行され、釈放されたといいます。

 バスラでは十九日、米紙ニューヨーク・タイムズのイラク人契約記者が武装勢力に拉致され殺害される事件も発生。比較的治安が安定しているとされてきた同地情勢は緊迫の度を増しています。


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