2005年9月19日(月)「しんぶん赤旗」

自民

改憲策動強める

安倍氏 「最大の政策課題」


 「(中長期の)最大の政策課題は憲法改正だ」(安倍晋三自民党幹事長代理)――。自民党はこの言葉を裏付けるように、総選挙後、改憲に向けた動きを着々とすすめています。「党の憲法調査会の議論をスピードアップしたい」と宣言する前原誠司氏が代表についた民主党の動向もからみ、憲法問題から目が離せません。

 自民党は、衆院の解散・総選挙によって、党としての改憲草案のとりまとめ作業を一時中断していましたが、連休明けにも作業を再開し、十月中には新憲法案をまとめる方向です。十一月二十二日の立党五十年の党大会で新憲法草案を発表します。

 すでに八月一日には「新憲法第一次案」(条文案)を発表。「自衛軍を保持する」と明記するなど九条の全面改悪と改憲発議要件や政教分離原則の緩和などを打ち出しました。党草案のとりまとめ作業では、前文や新しい人権などについて条文化作業が進められる見通しです。

 一方、新しい国会で院の構成を決めるための各派代表者会議(十四日)では、自民党が突如、改憲のための国民投票法案を審議する常任委員会として憲法委員会の設置を提案してきました。

 日本共産党の強い反対や、与党内の調整不足で結局常任委員会設置案は取り下げとなり、特別委員会の設置案に変わりましたが、圧倒的多数の議席を得た自民党が、かさにかかっていることは否めません。

 特別委員会であろうと、改憲の手続き整備を加速させる重大性に変わりはありません。

 しかし、自民党、公明党は選挙公報に「憲法」の文字さえなかったことでも明らかなように、今度の選挙では徹底して憲法問題を争点から隠しました。国民が改憲問題で自民党に信任を与えたわけではありません。自民・公明両党の新たな連立合意(十二日)にも改憲問題を入れることはできませんでした。

 一般紙の報道でも、勝ちすぎた自民党に対し「自民党に入れたが…憲法九条の平和の精神だけは守ってほしい」(「東京」十二日付夕刊)という有権者の声が紹介されています。自民党が改憲へ向け強硬な態度を強めることは国民との矛盾を広げることになります。(中祖寅一)


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