2005年9月8日(木)「しんぶん赤旗」

非正規雇用 若者の2人に1人

各党の政策をみる

「安定した雇用」に応える党は


 小泉内閣の四年間で非正規雇用が二百三十万人増え、正規雇用は三百万人減っています。非正規雇用で働く若者は二人に一人、自立したくてもできません。息子や娘を支える親の世代は年金生活が目前。若者の雇用は世代を超えた問題となっています。


グラフ

■若者の声は

 若者たちからは、こんな声があがっています。

■力尽きる職員

 「看護師です。院長から『残業を減らせ』という指示が出て残業が申告しにくくなりサービス残業が増えました。私が未熟だから仕事が終わらないのかと思ってしまいます。長時間で不規則な仕事。入職三年目以降の看護師が力尽きて辞めていく」(二十代女性)

■あまりの賃金格差

 「派遣社員をしていますが、雇用が不安定で将来が心配。正社員と変わらない仕事でも雇用の違いというだけで、あまりにも給料の差があって不満」(三十代女性)

■50社申しこんだが

 「就職活動中です。五十社に申し込んで、試験を受けられたのは二十五社。一社も受かりませんでした。自立したいし親に迷惑をかけたくないけど、また一から就職活動だと思うと、やる気がうせてしまう」(学生)

■大企業の責任

 職に困る若者と、過酷な労働で苦しむ若者。どちらも、大企業の横暴勝手の犠牲者です。

 正規雇用と非正規雇用とで、一カ月にかかる人件費をみると、正規雇用だと約七十五万円。派遣だと約四十五万円(グラフ、丸山俊著『フリーター亡国論』から)。派遣なら簡単にクビを切ることもできます。

 大企業は過去最高の利益をあげ、国家予算に匹敵する八十二兆円もの余剰資金をため込んでいます。大企業は、若者に安定した仕事を生み出す力を十分にもっています。

 非正規雇用を増やして若者を「使い捨て」にする企業の姿勢をあらためさせ、若者に安定した仕事と人間らしく働ける労働条件を確保するのは政治の責任です。

■“意識”にすりかえ/自民・公明党

 自民党と公明党は、総選挙マニフェストで、「若者自立・挑戦プラン」の強化・推進をそろってかかげました。「働く意欲のかん養」「職業教育の強化」がおもな施策。肝心な、企業の姿勢をただす施策はありません。小泉純一郎首相は国会で、「やる気のない面も能力のない面もあるでしょう」と答弁し、問題を若者の「働く意識」にあるとすりかえています。二〇〇五年度の青年雇用対策予算は六百七十九億円。ヨーロッパ諸国の数十分の一です。

■「規制緩和」を応援/民主党

 民主党は、アドバイザーによる就労支援、民間企業での職業訓練をかかげますが、企業の姿勢をただそうという態度はみえません。

 同党は、大企業が求める雇用の不安定化やただ働きをすすめる労働分野の「規制緩和」を自民党とともに応援してきました。同党が財界と若者、どちらの側を向いているかはこのことからもわかります。

■小泉「改革」にメス 日本共産党

 日本共産党は、若者の雇用問題は若者のせいではなく、若者を「使い捨て」にする企業と、それを応援する小泉「構造改革」に原因があるという立場にたって、政府を追及してきました。

 総選挙にのぞむ各分野の政策で「若い世代が自立し、人間らしく成長できる社会に」を提起。非正社員と正社員との間で「均等待遇」をめざすこと、長時間労働やサービス残業の根絶、社会保険への加入、若者雇用対策予算の抜本的増額、人手不足が深刻な医療・福祉・教育などの分野で雇用を生み出すこと――を提案しています。


もどる
日本共産党ホーム「しんぶん赤旗」ご利用にあたって
(c)日本共産党中央委員会
151-8586 東京都渋谷区千駄ヶ谷4-26-7 TEL 03-3403-6111  FAX 03-5474-8358 Mail info@jcp.or.jp