2005年9月7日(水)「しんぶん赤旗」
必要なのは たしかな野党
市田書記局長が語ります
日本共産党の政見放送 ラジオ版
日本共産党の政見放送・ラジオ版「必要なのはたしかな野党――市田忠義書記局長が語ります」を紹介します(大要)。インタビュアーは、ラジオパーソナリティーの菊地美智子さんです。
――いよいよ総選挙。さっそくですが、この選挙で共産党がいちばん訴えておられることは何でしょうか。
市田 そうですね。今の日本には、自民党政治ときっぱりと対決する「たしかな野党」が必要だと思うんです。日本共産党は、その役割を全力ではたす、このことを訴えています。
■郵政民営化論のごまかし
――自民党は郵政民営化をすすめようとしていますが、共産党は反対していますね。
市田 ええ。国民のみなさんの運動と私たちの国会質問で、郵政民営化の正体がずいぶん明らかになりました。「百害あって一利無し」。きっぱりやめるべきですね。
――どんなことが明らかになったんですか。
市田 たとえば、郵便貯金の事業は、いまのままなら黒字が続いて、その50%が国に納められるのに、民営化してしまったら、逆に赤字になるんですよ。政府も六百億円の赤字になると認めました。
――えっ、赤字になるんですか。
市田 そうなんです。それと小泉首相は「民間にできることは民間に」と口ぐせのようにいいます。しかし、民間にはできないことをやっているのが郵便局なんです。郵便貯金はだれでも安心して預けられるし、手数料も一円もとられません。これを民営化すれば、手数料も取られるし、郵便局も減らされる。利用者の立場をまったく考えていないんですよね。
民営化すれば「公務員を減らして小さな政府になる」、こういうこともいいますが、これもでたらめなんです。職員の給料も、事業も、郵便局の維持も、ぜんぶ独立採算でやっているんです。税金は一円も投入されていません。
――それは知りませんでした。
市田 もともと郵政民営化というのは、国民の要求から出たもんじゃなくて、アメリカや日本の大銀行、保険会社の要求なんです。日米でこの一年のあいだに十八回も秘密の相談をやっています。郵便局にある国民の貯金や保険金を、自分たちの会社に移してもうけの対象にしたい。これが本当の狙いなんです。
――ひどい話ですね。
■小泉「改革」でくらしは
市田 首相は郵政民営化を「改革の本丸だ」「改革を止めるな」と、そういっています。しかし、小泉さんの「改革」で国民のくらし、本当にひどいことになりましたよね。
――本当にそうですね。
市田 たとえば、お年寄りとサラリーマンの医療費の値上げでしょ。年金も保険料もあがりました。介護保険では、所得の低い方の負担がふえて、サービスから排除されていますよね。
それから、いつクビを切られるかわからない不安定な働き方、これも広がったんです。不良債権の強引な処理で、中小企業が泣かされています。私も驚いたんですけど、年間四千人をこえる社長さんが自殺されているんですよね。
結局、「改革」の名でおこなわれてきたことというのは「強きをたすけ、弱きをくじく」、そんな政治じゃなかったかなと思うんです。しかも、民主党も「小泉さんの改革の背中を後押しするんだ」と、そういって賛成してたんですね。
――そうすると、自民と民主は同じレールを走っているということですか。
市田 そうなんです。だから、「たしかな野党」が必要なんです。これからの国会のテーマを考えてもですね、本当にそういうことがいえると思うんです。
■自公民は大増税で一致
市田 たとえばね、庶民への大増税計画が、いま持ち上がっているんですよ。
――そういえば、ボーナス分が消えるとか話題になりましたね。
市田 六月に政府の税制調査会が増税案を発表しました。中身は、与党の方針にそって、所得税も住民税も容赦なく上げるという中身なんです。消費税を10%以上に引き上げるのは前からの方針ですから、年収五百万円の四人家族であわせて年間五十五万円もの増税なんです。
――これは大きな問題ですね。
市田 そうです。ところが、民主党も増税賛成なんです。扶養控除や配偶者控除廃止などの増税案を発表しました。消費税も値上げを主張してる。くらしが大変なのに国会では自民党も民主党も公明党も、大増税で一致しているんです。日本共産党が本当に大きくならなかったらダメだなと、そう決意しているところです。
■庶民大増税しない方策は
――増税しないための方策はどうお考えですか。
市田 なんといっても、諫早干拓などの大型公共事業だとか、軍事費ですね、こういう問題にメスをいれて、ムダな支出を抑えることです。
――そうですね。
市田 同時に、史上空前の利益をあげている大企業に応分の負担をやってもらう。この十年間、庶民が消費税で苦しんでいるときに、大企業や大金持ちは減税の恩恵をずっと受け続けてきたんですよ。それには一切手をつけないで、庶民だけに「もっと負担を」なんていうのは、ちょっと、おかしいですよ。
――共産党は目のつけどころがちがうんですね。
市田 ええ、大企業から汚れたお金を一円ももらってないんです。だから、誰にたいしても遠慮なく、国民の立場でものがいえるんですよ。
■自・民の財政大半が税金
――共産党以外の政党には、お金の問題がいろいろありますね。
市田 しかもね、企業・団体献金に加えて、政党助成金という税金まで受け取っているんですね。自民党は党の財政の六割、民主党にいたっては八割以上が税金なんです。「官から民へ」というんだったら、自分たちこそ、「国営政党」からまず抜け出したらどうだと、私は思うんですけどね。
■世界の宝―九条守りぬく
――ところで市田さん、憲法の問題がとても心配なんですけれども。
市田 ええ、自民党はこの八月、ついに憲法改定の案を発表しました。憲法九条の「戦争しない」「戦力はもたない」と、この条項を削ってですね、「軍隊をもつ」「海外での活動も可能にするんだ」そういう内容の改定案を発表しました。
――九条を変えるのが中心なんですか。
市田 ええ、そうなんです。自民党だけじゃないんです。民主党も国連決議があれば海外で武力行使ができるようにするといってますし、公明党は「加憲」―加える憲法ですけれども、そういいながら、憲法九条を変える方向をうちだしました。
戦後、自民党政府は自衛隊をつくって、ずっと増強してきたんですけども、九条の「戦力をもたない」という条項が歯止めになって、海外での武力行使ができなかったんですね。これが「自衛隊は戦力だ」「軍隊だ」ということになってしまったら、アメリカのいいなりで、海外で戦争できる、そういう国になってしまうんですよね。
――もう、戦争は絶対にイヤです。
市田 そうですね。憲法九条というのは、先の大戦で亡くなられた多くのアジアと日本の方々の尊い犠牲の上につくられた、いわば、世界の宝なんです。憲法を守り抜くために、日本共産党全力をあげてがんばりたいと思っています。
■アジアと心かよう関係を
――次に外交についてお伺いしたいんですが。
市田 いま、日本の外交というのは、過去の侵略戦争への無反省、正当化が原因になって、たいへんなゆきづまりになっているんですね。たとえば、日本の国連常任理事国入りですね。周りのアジアの国々からまったく支持されないで、惨めな失敗になりました。侵略戦争への反省を誠実におこなってきたドイツの常任理事国入りが、ヨーロッパの国々からたいへん大きな支持を得ているのと好対照です。
――何とかしなければならないですね。
市田 日本共産党は今年で党をつくって八十三年になるんですけども、創立以来いっかんして、命がけで侵略戦争反対をつらぬいてきた党です。その党として、侵略戦争の正当化に反対して、アジアの人々と本当に心がかよう、そういう関係を築くためにがんばります。
――お話を伺ってまいりまして、共産党の「たしかな野党」というのは、ぴったりだなと思いました。ありがとうございました。
市田 こちらこそ、ありがとうございました。

