2005年9月2日(金)「しんぶん赤旗」

自公政権

5測候所廃止を計画

防災対策をないがしろ


 地震・火山、台風などの監視・観測で「防災最前線」の役割を果たしてきた長崎県の気象庁雲仙測候所など五測候所が十月一日から廃止する計画が進められています。公務員削減を至上課題とする小泉首相の「構造改革」で、防災の拠点さえ危うい状態です。

 雲仙測候所は一九九一年の雲仙・普賢岳噴火で島原市などの住民の防災の最前線基地として重要な役割を果たしてきました。廃止されるのは、雲仙のほか福井・敦賀、岐阜・高山、静岡・浜松、愛媛・宇和島の計五カ所の測候所。今回は二十四時間体制で常時監視・観測をおこなってきた測候所も対象に。十月から廃止予定を含めると九七年以降、五十カ所になります。

 気象庁は廃止の理由を観測機器の自動化が進んだためと説明しています。

 しかし、同庁の職員で構成する全気象労働組合本部と同九州地方本部は「地域の住民や地方自治体の声を聞かずに、雲仙測候所の一方的な廃止をすることは断じて容認できない」と抗議声明を発表。このなかで、廃止は(1)地震計など観測機器が故障してもすぐに対応できない(2)農漁業にかかわる天気、雲、雷、ひょう、霧、初雪・初霜・初氷、竜巻などの目視観測が切り捨てられる(3)住民の問い合わせや、自治体への通報などの情報提供にも支障がでる――と指摘しています。

 同庁によると、職員数は七八年のピーク時から約六百三十人もの削減がおこなわれ、小泉内閣の約四年間で約百四十人の減となっています。


■政党助成金をなくせば…

 防災対策上重要な気象庁予算(〇五年度)は、六百二億七千四百万円。これは、自民党がこの十年半に受け取った憲法違反の政党助成金(千五百四十八億円)の四割以下にすぎず、民主党が受け取った六百七十九億円にもおよびません。年間の政党助成金三百十七億円の二倍弱です。

 測候所を含む気象庁職員の人件費予算は、前年より減って約三百八十六億円です。これも公明党(二百四十億円)と社民党(二百七十三億円)が受け取った政党助成金の合計より少ない。政党助成金を返上すれば必要な人員を確保することができます。

 日本共産党は「測候所は無人化や廃止による合理化一辺倒でなく、専門的知識をもった地域の“防災センター”としての役割を果たせるようにすべきです」(総選挙政策)と提起しています。


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