2005年9月2日(金)「しんぶん赤旗」

大企業減税1兆1740億円

05年度の政府側予測

IT・研究開発の名目


 相次ぐ法人課税の減税で40%程度にまで下がっている大企業の実質税負担率が、研究開発やIT(情報技術)投資の優遇税制でさらに二割以上も減税されていることが、政府側の資料で分かりました。優遇税制による二〇〇五年度の減収予測額は、研究開発促進税制で六千五百七十億円。IT投資促進税制で五千百七十億円です。合計で一兆一千七百四十億円に達します。

グラフ

 経済産業省の私的研究会(「経済社会の持続的発展のための企業税制改革に関する研究会」)に提出された資料は、法人所得課税(国税および地方税)が研究開発やIT投資の優遇税制によって、どの程度減税されているのかを示しています。研究開発促進税制は、一年間に投資した研究開発費の最大12%を法人税から差し引くもの。IT投資促進税制は、IT投資にたいし、費用の10%を法人税から控除するものです。企業の国際競争力強化を目的としています。

 資料では、各業種の売上高上位企業五社の大企業の税額を〇三年度の決算をもとに計算しています。それによると、情報サービス業は39%から30・2%に軽減されています。日本の製造業のもうけ頭である自動車産業も実質税負担率は39・8%から33・8%に軽減されています。

 両優遇税制は〇三年度の税制「改正」で小泉自・公内閣が創設したもので、三年間の時限措置。日本経団連は〇六年度以降も延長することを求め、経済産業省は来年度税制「改正」要望に延長を盛り込みました。

 小泉内閣と与党の自民、公明両党は、大企業には手厚い税の優遇をする一方、庶民には定率減税の廃止、各種控除の見直しや消費税率の引き上げなどによる増税を検討しています。

 日本共産党は、庶民増税に反対するとともに、いきすぎた大企業減税の見直しを求めています。


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