2005年8月31日(水)「しんぶん赤旗」

スポーツ予算切り縮めた小泉「改革」

国民1人当たり コーヒー1杯分以下に


 「みなさん、日本の国のスポーツ予算がどれぐらいか、ご存じでしょうか。国民一人につき、たったの210円足らずでしかありません。あまりにも、冷たいではありませんか」――。

 この訴えに、道行く人の足が止まります。今月20日、日本共産党の全国スポーツ後援会のメンバーが、東京ドームに向かうプロ野球ファンらに呼びかけました。

 2004年度の国のスポーツ予算は264億円。これを国民一人当たりに計算すると、210円足らずです。「コーヒー一杯分にもならないのか…」。そんなため息も聞こえてきます。

■63億円減らす

 ここまでスポーツ予算をきり縮めてきたのが、小泉「改革」の4年間でした。小泉政権誕生前の2000年度は327億円、それが4年間で63億円も減らされました。

 同後援会の訴えはつづきます。「そのうち、地域のスポーツ施設整備の補助はわずか10億円。これでは体育館1つもつくれません。それもそのはず。国は『公共スポーツ施設はつくらない』というのが小泉改革なのです」

 01年から文部科学省が実施している「スポーツ振興基本計画」では、国は「地方公共団体が行うスポーツ施設の充実を支援する」としているだけで、施設整備への責務を放棄したのです。

 先の東京都議選では、公共スポーツ施設の老朽化が大きな問題となりました。1964年の東京オリンピックの際につくられた競技施設は築40年以上を経過。ひび割れや壁落ちなどの老朽化がはげしく、いまの耐震基準に照らすと“危険施設”になっています。補修・修繕を要求しても「予算がない」と放置され、行政職員も困っているありさまでした。

 整備費を削り、修繕費も確保できないスポーツ施設。「ムダな施設は閉鎖するか、民間に売り払え」というのが小泉流の「改革」です。その結果、わが国の公共スポーツ施設は、この6年間で体育館が578カ所減、野球場・ソフトボール場が1114カ所減、庭球場(屋外)が1241カ所減(表参照)など、軒並み減ってきています。

■軍事費削って

 「国にお金がないのではありません。年間約4兆8564億円にも達している軍事費の一部を削るだけで、体育館の1つや2つ、サッカー場の3つや4つ、それぐらいの予算はすぐにでも確保できるはずです」。同後援会の訴えは、いちだんと熱がこもりました。

 戦闘機の海外遠征能力を飛躍的に強化する空中給油機は、1機で248億円。ほぼスポーツ振興の年間予算に匹敵します。小泉内閣はそれを4機も調達するというのですから、スポーツ予算が犠牲になるはずです。

 「日本共産党は軍事費のムダづかいを削って、国民のくらしに、社会保障に、スポーツ振興に回せ、と主張しています。みなさんの力で小泉『改革』に審判を下し、スポーツ予算の増額を実現しましょう」

■日本の体育・スポーツ施設数(文部科学省調査)

 スポーツ施設 1998年調査(カ所) 2004年調査(カ所) 減数(カ所)

 施設総数 258,026 239,660 18,366

 公共スポーツ施設 65,528 56,475 9,053

 体育館 9,206 8,628 578

 野球・ソフトボール場 7,943 6,829 1,114

 庭球場(屋外) 7,381 6,140 1,241

 水泳プール(屋外) 3,835 3,102 733

 多目的運動広場 9,127 8,508 619

 柔道場 1,036 863 173


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