2005年8月20日(土)「しんぶん赤旗」

自民「総選挙公約」の問題点


■社会保障/高齢者医療を新設240万人から保険料

 十九日に発表された自民党の総選挙マニフェストでは、社会保障の分野で「新たな高齢者医療制度の創設」を掲げています。

 これは、政府が来年に法案提出を狙っている医療制度改革の柱として検討しているもの。七十五歳以上の高齢者が入る新しい保険をつくり、いまは会社員の扶養家族として保険料を払っていない二百四十万人の人たちからも、保険料を徴収しようという計画です。病院窓口での負担についても、一定の所得がある高齢者については現行の二割を三割に引き上げることが検討されています。

 また、先の国会で広範な障害者・国民の強い反対の世論によって廃案に追い込まれた障害者「自立支援」法案について、「早期の成立を期する」としています。

 自民、公明、民主により強行された改悪介護保険法に盛り込まれた、施設利用者に対するホテルコスト(居住費・食費)負担について、「着実に実施する」とのべ、予定どおり十月から導入するとしています。

■日米同盟/軍事同盟を強化し自衛隊派兵を推進

 自民党のマニフェストは、「日米安保体制の強化」を推進するとし、日米軍事同盟の強化を露骨に打ち出しました。「日米安保体制の強化」という表現は、前回総選挙(二〇〇三年)の「政権公約」や昨年の参院選の「選挙公約」にはなかったものです。

 その上で「自衛隊の海外派遣は、今後とも、国際協調と国益を考えて推進する」と強調。総選挙直後の十一月に期限切れを迎えるインド洋への派兵や、十二月に期限が切れるイラク派兵の継続を強くにじませました。

 さらに、海外派兵は、イラク特措法といった期限付きの特別措置法ではなく、「今後は国際協力に関する一般法(国際協力基本法)を制定するなど、迅速な対応が可能となるよう検討する」と表明。米国の要請に応え、自衛隊を地球規模でいつでも派兵できるようにするため、法制定などの検討を打ち出しています。

 併せて、海外派兵を「自衛隊の本来任務と位置づける」とし、自衛隊法の改悪も表明しています。

 これらは、米国の先制攻撃の戦争に日本が参戦する態勢づくり=「日米同盟」の大変質を打ち出したもので、今回のマニフェストで示した改憲の根本にあるものです。


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