2005年8月18日(木)「しんぶん赤旗」

何かいいことありましたか

小泉「改革」の4年(1)

福祉・くらし・仕事 「痛み」の連続

中小経営者 年4000人自殺


 「郵政解散」をした小泉首相は、「改革を止めるな」とのスローガンをかかげ、総選挙(九月十一日投票)で国民の審判をあおごうとしています。しかし、この四年間の小泉「改革」は、国民にとって何か一つでもいいことがあったでしょうか。今後の「改革」に何か希望がもてるでしょうか。(矢守一英、山田英明)


■次は大増税計画

表

 「(小泉内閣は)私たち家族四人に死ねというんですか」というのは自動車販売業の下請け運送会社で働くAさん(59)=神奈川県在住。政府税制調査会(石弘光会長、首相の諮問機関)が打ち出したサラリーマン増税による負担増は、Aさん家族の場合、年額三十二万円にもなります。

 年収三百七十万円余と妻のパート収入百十五万円が四人家族の暮らしを支えています。ローンの返済や高校一年と中学一年の子どもの教育費…。「生活費が足りない分をサラ金から借りる生活」です。「負担増は、その分、借金を増やすことになる」

 お年寄り、サラリーマンの医療費の値上げの強行、年金制度、介護保険制度の改悪。押し寄せるリストラの嵐。小泉内閣の四年間、家計の所得が十二兆円も減少し、日銀調査でも、暮らし向きが「苦しくなってきた」が約五割、雇用不安が約八割で推移しています。そこへサラリーマン増税や消費税増税計画…。庶民は悲鳴を上げています。

グラフ

■苛烈な債権回収

 小泉首相が最初に手がけたのは、「不良債権の早期処理」の名のもとに中小企業を切り捨てる政治でした。

 銀行に担保にとられた業者の自宅が、次々と競売にかけられ、「不安で眠れない。このままでは死んでしまう」(銀行被害にあった東京都内のパブ経営者)ところにまで追い込みました。

 「年間の自殺者は四〇〇〇人超! 追いつめられる中小企業経営者」(『週刊ダイヤモンド』六月十一日号)。経済誌がこんなタイトルの記事で告発しました。

 同誌は、経営者の自殺が減らない理由に、統計数字に表われない「廃業」の増加と「銀行の不良債権最終処理」をあげています。小泉内閣によって不良債権比率の半減を迫られた大手銀行は、資金繰りで苦しむ多くの中小企業への債権を「不良債権」扱いし、債権回収会社に売り渡しました。債権回収会社による苛烈(かれつ)な取り立てが増えたことも、経営者を苦しめる大きな理由となったと、同誌はみています。

 「痛みに耐えれば、明日はよくなる」という小泉首相ですが、よくなったのは、空前の大もうけをしている大企業だけです。

 偽りの「改革」と真正面から対決してきた日本共産党が総選挙で前進してこそ、明るい明日を切り開くたしかな力となります。


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