2005年8月14日(日)「しんぶん赤旗」

復興支援の約束 果たしていない

イラク・サマワで自衛隊批判

行政に抗議

停電・水不足、失業は8割


 自衛隊が駐留するイラク南部サマワでは七日、生活インフラの復旧を求め数千人のデモが発生。これに参加した市民を警官隊が弾圧し、一人が死亡、六十人以上が負傷しました。現地では、それ以降も不穏な動きが続いています。住民の声を電話で聞きました。(カイロ=小泉大介)

 「七日のデモに参加しましたが、参加者の多くは普通の市民でした。米軍の占領開始から二年以上もたつのに、サマワではいまだに日常的に停電が起き、清潔な水も不足しています。失業率は八割近くに達しています」

■デモに発砲

 服飾業を営む男性、ヤーコブ・アルアサディさん(31)も、従来のデモが「対米強硬派」とされるイスラム教シーア派指導者のサドル師支持者が中心だったのに対し、今回は参加者の多くが一般市民だと強調しました。

 「デモは直接的には住民サービスの提供をさぼり、腐敗を横行させている行政当局への抗議でした」と指摘。怒りの矛先が自衛隊に向くのも時間の問題だと言います。

 「自衛隊がいま行っているのは、学校のペンキ塗りなど住民にもできる簡単な仕事だけです。彼らはサマワの復興支援のために駐留するといいましたが、その約束は実行されていません」

 自動車修理店で働くアリー・アルカリムさん(27)も七日のデモに参加した一人。「行政の腐敗に対する平和的なデモに警官隊が発砲してきた」と怒り心頭です。アルカリムさんの自衛隊へのまなざしは、さらに厳しい。

 「自衛隊員がやっていることは、住民に笑顔を振りまき、あいさつの手をあげることだけです。イラク復興などという宣伝はただの口実で、本心が米軍の占領への手助けにあるのは明白です。自衛隊の駐留に期待していた市民のなかでも、いまは早く出て行くべきだとの声が高まっています」

■米軍の一部

 著述活動をするハティフ・アブデルカリムさん(27)は語りました。

 「偉大な経済力と技術力を持っているのに、自衛隊は私たちのために何もしませんでした。自衛隊が米軍の要求にこたえ、それを支持するために駐留しており、占領軍の一部であることに多くの住民が気づいています」

 自衛隊の駐留当初、多くの住民が大規模な復興プロジェクトや雇用創出などへの期待からこれを歓迎しました。現在も一部住民が駐留を支持しているのは事実。しかし、駐留開始から一年半以上も経過しながら一向に改善しない生活環境のなか、自衛隊への不満は高まっています。自衛隊を標的にしたと見られる攻撃や「親日派」への脅迫が恒常化。七月下旬にはサマワの日本友好協会が解散しました。

 女子高校生のミミー・カシムさん(16)は語ります。

 「校長先生は学校を訪問する自衛隊員に歓迎の意を表すように指導しますが、そんな気持ちにはなれません。占領軍の一員である自衛隊が住民の生活復興にほとんど貢献していないことを知っているからです。復興に貢献しないどころか、占領軍の存在こそ、私たちイラク人を苦しめている爆発、テロ、殺人の根本原因です。自衛隊が一刻も早くイラクから出て行くことを願っています」


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