2005年8月12日(金)「しんぶん赤旗」

一般歳出

上限47兆5430億円に

概算要求基準を閣議決定


 政府は十一日午前の臨時閣議で、二○○六年度予算の概算要求基準(シーリング)を了解し、正式に決定しました。政策を実行する経費である一般歳出の上限(要求基準額)は○五年度当初予算を約二千六百億円上回る四十七兆五千四百三十億円にとどめ、歳出抑制を継続します。一千億円で政策の重点化促進枠を新設。「国際競争力の維持」などに必要な施策に財源を重点配分できるようにするとしています。

 小泉純一郎首相は同日の臨時閣議で、予算編成方針に関して「小泉内閣の総仕上げの予算であり、歳出改革路線の堅持・強化が重要だ」と述べ、歳出削減の徹底を指示しました。

 焦点の社会保障関係費をめぐっては、高齢化に伴い○六年度に約八千億円が見込まれる自然増を、医療制度「改革」を前提に二千二百億円圧縮、五千八百億円程度にとどめるとしています。

 各省庁の判断で増減できる裁量的経費の削減幅を前年度当初予算比で2%から3%に拡大。従来、削減の対象外としてきた科学技術振興費も○五年度当初予算比3%の減額に踏み切りました。

 公共投資関係費は同3%削減を継続。ただ、臨時閣議前に開かれた政府・与党連絡会議で公共投資の削減方針をめぐり、自民党側から「疲弊した地域に十分な配慮が必要だ」といった意見が出され、合意文書に「地域間の予算の配分にも配慮する」との文言が急きょ、盛り込まれました。

■社会保障さらに削減も 財務相

 谷垣禎一財務相は十一日の臨時閣議後の記者会見で、同日決定した二○○六年度予算の概算要求基準(シーリング)について、「改革の総仕上げの名にふさわしい予算とするよう努力していく」と述べ、「歳出改革」路線を堅持していく姿勢を改めて強調しました。

 焦点となっている社会保障関係費の取り扱いについて谷垣財務相は「制度化や合理化を進め、医療費を中心に抑制しなければいけない」と指摘。その上で、「これから少しでも切り込んでいく必要がある」とし、今後の予算編成過程で一段の削減を目指す考えを示しました。

■概算要求基準骨格

 一、一般歳出の要求基準額四十七兆五千四百三十億円

 一、重点的に政策課題に対応するため、千億円の重点化枠新設

 一、八千億円の自然増が見込まれる社会保障関係費は二千二百億円圧縮、五千八百億円に

 一、公共投資関係費は引き続き3%削減

 一、各省庁の裁量的経費の削減幅は従来の2%から3%に拡大

 一、科学技術振興費も圧縮。政府開発援助(ODA)は効率化へ改革推進

 一、地方歳出全般を徹底的に見直し、地方交付税総額を抑制


もどる
日本共産党ホーム「しんぶん赤旗」ご利用にあたって
(c)日本共産党中央委員会
151-8586 東京都渋谷区千駄ヶ谷4-26-7 TEL 03-3403-6111  FAX 03-5474-8358 Mail info@jcp.or.jp