2005年8月10日(水)「しんぶん赤旗」
酒販組合
年金共済資金の運用失敗
自民議員元秘書が関与
全国小売酒販組合中央会(東京都目黒区)が年金共済資金の運用に失敗し、会員への掛け金が返済不能となっている問題で、失敗の原因となったハイリスクの外国債を中央会に仲介した人物が、自民党国会議員の元秘書であることが九日、同中央会の会報などでわかりました。同中央会の藤田利久会長らは同日記者会見、この事件で担当した理事らを刑事告訴する意向を明らかにしました。
同中央会は全国の酒の小売り店主などでつくり、会員数は約十一万八千人。年金共済制度は八三年に始めたもので現在、加入件数は約二万件。
共済年金資金の運用の失敗は二〇〇二年、同中央会が高利率の社債を、スイスの銀行を通じ約百四十四億円で購入したことが発端。債券を運用していたイギリスの企業が破たんしたことで全額が回収不能となり、加入者に返還すべき百四十億円が返還不能に陥っています。同中央会の年金共済資金の運用については二度にわたり国税庁が業務是正命令などを出し、同会は年金調査・回収委員会を設置、調査をすすめています。
同中央会の会報「酒販通信」(今年七月号)によると、同委員会の四十万隆委員長(中央会副会長)が今年五月の中央会総会で調査状況を報告。四十万委員長は、問題の外国債を中央会に紹介した人物は、国会議員の元秘書だったと指摘しました。この元秘書は〇一―〇二年、同中央会を母体にした政治団体「全国小売酒販政治連盟」に在籍し、政治顧問を務めていたとしています。
元秘書を政治顧問にした経緯について政治連盟の経理担当者は、「当時は酒の販売免許の規制緩和政策をめぐり、政治活動を強めなくてはならない情勢で、政治に詳しい人が必要だった」と話しています。
同中央会の藤田会長、四十万副会長は同日の記者会見で、「(破たんは)非常に作為的でわれわれは詐欺にあったと考えている」とのべました。
年金共済をめぐっては、架空の口座に約九千万円を振り込むなど一億四千万円の使途不明金も判明。国税庁が、責任の所在を明確にし、違法事実があった場合は法的手続きをとるよう二度にわたって改善勧告などを出しています。

