2005年8月9日(火)「しんぶん赤旗」

庶民大増税反対、憲法をまもりぬくたしかな野党
日本共産党をのばしてください

東京・新宿での 志位和夫委員長の訴え


 日本共産党の志位和夫委員長は八日、衆院解散を受けての東京・JR新宿駅前での第一声街頭演説で、次のように訴えました。

■衆院を解散してまで郵政民営化を押し通そうという首相の立場に道理なし

 本日、郵政民営化法案が否決され、衆議院が解散されました。

 まず、私は、国民にとって「百害あって一利なし」の郵政法案が、否決、廃案になったことを喜びたいと思います(拍手)。私たち共産党議員団は、この問題の本質をつく論戦を、衆参で展開してきました。わが党の追及によって、郵貯・簡保が民営化されれば、採算のとれないところから撤退し身近な金融窓口がなくなること、高い手数料のために口座をつくれなくなるなど、庶民が金融サービスから排除される――金融弱者がつくられることが、明らかになりました。そして、この動きの真の狙いが、庶民のかけがえのない生活資金――郵貯・簡保の三百四十兆円を、日米金融資本の食い物にすることにあることも、明らかになりました。

 参院での否決は、この法案に道理なしという審判を国会がくだしたものです(拍手)。にもかかわらず、衆院を解散してまで、ボロボロになった郵政民営化のくわだてを何がなんでも押し通そうという小泉首相のやり方には、まったく道理はありません。国民の審判で、このくわだてにとどめをさそうではありませんか。(「そうだ」の声、拍手)

■自民党政治ときっぱり対決できる、たしかな野党が必要です

 同時に、経緯はともあれ解散・総選挙となったことは、「まともな政治をつくりたい」と願っている国民が、主権者として審判をくだすチャンスがめぐってきたということではないでしょうか。わが党は、この総選挙を、国政選挙で反転攻勢を実現する絶好の機会ととらえ、意気高くたたかいぬき、かならず前進・勝利をかちとる決意であります。(拍手)

 この政治の激動の大本には、自民党政治のゆきづまりがあります。

 外交をみますと、小泉首相が、靖国参拝に固執するなど、過去の戦争への間違った態度をとってきた結果、アジアとも世界ともまともなつきあいができなくなっています。アメリカいいなりですすめたイラク派兵が、現地情勢の悪化と国際的孤立という大きな破たんにおちいっています。日本外交がどちらをむいても八方ふさがりという、こんな閉塞(へいそく)状態におちいったことはかつてないことであります。

 内政ではどうでしょう。小泉首相は、「痛みに耐えれば明日がある」といって「構造改革」をすすめてきました。しかし、現実は、医療、年金、介護など社会保障の連続切り捨て、雇用と賃金の破壊など、果てしない「痛み」の連続でした。そして、その先にみえてきたのは「希望」どころか、庶民大増税――消費税増税とサラリーマン大増税です。いくら痛みに耐えても明日はない。このことがはっきりしたのではないでしょうか。(拍手)

 このゆきづまりを「二大政党」で打開できるでしょうか。自民、民主のどちらが政権につこうと、新しい国会でただちに態度が問われてくる大問題があります。庶民大増税と、憲法改悪の問題です。自民、民主は、この二つの大問題で、同じレールで推進を競いあっています。これでは、どちらが担い手になっても、政治のゆきづまりはいよいよひどくなるばかりであります。

 いま日本の政治には、自民党政治ときっぱり対決できる、どんな問題でも国民の立場でがんばる、たしかな野党が必要です(拍手)。その役割をになえるのは日本共産党です。この党をのばしてこそ、いまの政治のゆきづまりを打ち破り、希望ある新しい政治の展望が開かれます。どうかみなさんの大きなご支持で、日本共産党をのばしてください。よろしくお願いします。(拍手)

■庶民大増税を許さないために力をつくします

 私たちは、今度の選挙で、「日本共産党は野党としてこういう仕事をします」という「野党としての公約」を訴えて、選挙戦をたたかいぬきたいと考えています。

 第一に、庶民大増税を許さないために力をつくします。六月二十一日に、政府税制調査会が打ち出したサラリーマン大増税の計画にたいして、日本列島で怒りが広がっています。これは所得税・住民税について、まず定率減税を廃止したうえ、さまざまな控除を廃止、縮小する大増税のくわだてです。政府税調はすでに「消費税率は二ケタに」という方針を打ち出しており、所得税の大増税は、消費税の大増税とセットですすめられようとしています。これが強行されたら総額二十四兆円もの大増税、年収五百万円の世帯では年間五十五万円もの大増税になります。総選挙では、サラリーマンの家計を壊し、日本の経済も景気も壊す、大増税計画を絶対に許すな――この国民の審判を下そうではありませんか。(拍手)

 この問題での各党の態度はどうでしょう。自民・公明は、都議選の直前にこの方針が打ち出されたときに、大慌てで「タイミングが悪い」といいました。この言葉に、立場が透けて見えるではありませんか。「悪い」のは「タイミング」ではなく中身であります。(拍手)

 もともと政府税調の方針は、「所得税の控除の見直し」をうたった与党税調の方針を具体化したものです。自分たちで増税の号令をかけておきながら、知らんぷりという無責任な態度をとることは許されません。(拍手)

 民主党は、都議選で「サラリーマン増税に審判を」といいました。しかし、消費税増税の旗振りをもっとも熱心にやってきたのが民主党ではありませんか。所得税についても、民主党は、都議選の直後に発表した総選挙にむけての「財政健全化プラン」で、各種控除の廃止による大増税を明記しました。選挙で「増税に審判を」といいながら、選挙直後に出した政策では増税の方針を平気で打ち出す。これは国民を欺く態度といわなければならないのではないでしょうか。(「そうだ」の声、拍手)

 この庶民大増税の計画の青写真をかいたのは財界であります。日本経団連の「奥田ビジョン」には、税金のあり方をどう変えるかの方針がはっきりと書かれていました。第一は、「消費税を引き上げて16%にする」。第二は、「所得税は各種控除の縮小・廃止で増税する」。第三は、「法人税をさらに引き下げる」。

 法人税は、減税につぐ減税などで約二十兆円から十兆円に半減しています。それをもっと減らせという。その穴埋めに庶民大増税をやれ。こんな身勝手が許されるでしょうか。税金・財政の改革というなら、無駄づかいに徹底的なメスを入れるとともに、いま空前の大もうけをしている財界・大企業に責任と負担をもとめるべきではないでしょうか(拍手)。この立場を堂々と主張しているのは、日本共産党だけであります。財界からびた一文献金をもらわない清潔な党だからこそ、この主張が堂々とできます。庶民大増税反対の声は、どうかこぞって日本共産党におよせください。(拍手)

■憲法をまもるために国民と力をあわせてがんばります

 第二に、憲法をまもるために国民と力をあわせてがんばりぬきます。

 衆院憲法調査会の中山会長は、「今年十一月には自民党が憲法改正草案を出し、民主党も〇六年までに改正案を出し、二〇〇七年には戦後初の憲法改正が実現する」と豪語しています。相手の思い通りにさせてはなりませんが、この問題は、先の問題ではない、今日ただいまの熱い争点となっている、日本の運命にかかわる大問題となっていることを、訴えたいのであります。

 改憲派の共通の主張は、憲法九条二項をかえ、「自衛軍」を書き込むということにあります。最近、自民党は、「新憲法第一次案」を発表し、九条を全面的に書き換える方針を明らかにしました。この「案」では、「戦争放棄」を削除し、「戦力保持禁止」を削除し、「自衛軍」を書き込み、海外で自衛隊が活動できるようにすることを明記するものとなっています。民主党は、国連の決定があれば、海外での武力行使に踏み出す方針をきめ、これを自分たちの改憲案に反映させるといっています。民主党の「ネクスト外務大臣」の鳩山元代表は、国会で「改憲し、自衛軍を書き込め」と要求し、小泉首相に「賛成」だと答えさせています。

 九条二項をかえて、「自衛軍」を書き込むとどうなるでしょうか。それは、自衛隊の現状を書くというだけにとどまりません。「戦力はもてない」という条文は、海外での戦争を禁止する、最大の歯止めとして働いてきました。この歯止めをとりはらって、「海外で戦争する国」をつくる。これが憲法改定の狙いです。こんな国になることを、だれがのぞんでいるでしょう。私は、ことの真相を知れば、国民みんなが反対の声をあげることは、まちがいないと確信しています。(拍手)

 現に、国民のなかから反対の力強い動きがおこっています。各界の著名な方々がよびかけた「九条の会」は、発足一年で、大きな広がりをつくっています。私は、先日、東京・有明でおこなわれた「九条の会」の集いに参加しました。会場いっぱいに九千五百人が参加し、その素晴らしい発展ぶりに感動しました。その場で、この一年間で、全国で三千をこえる「会」がつくられるなど、草の根から目覚ましい運動が広がっていることが発表されたことも、うれしいことでした。

 私は、日本国民のなかには、あの大きな犠牲をはらってかちとった憲法九条をまもりぬく、深いエネルギーが存在することを、確信します。日本共産党は、憲法改悪反対の一点で、立場の違いをこえて、広く国民の運動と力をあわせ、国民多数派をつくるためにがんばりぬくことを、お約束するものです。(拍手)

 憲法を変えて戦争に行こう――この動きの根っこにあるのは、アメリカいいなりの政治であります。もともといまの改憲の動きは、日本国民がもとめたものではない。アメリカからはじまったものでした。米国政府から、「憲法九条は日米同盟の邪魔物だ」という強い圧力がかかり、この動きがはじまりました。しかし、日本国民にとって「邪魔物」は、憲法九条ではなくて、日米安保条約ではないでしょうか(「そうだ」の声、拍手)。日米安保条約をなくして、独立・平和の日本をつくろう――日本共産党は、この世論が国民の多数となるように力をつくします。(拍手)

■ゆきづまった日本外交を打開する仕事にとりくみます

 第三に、ゆきづまった日本外交を打開する仕事にとりくみます。今年は、アジアで二千万人以上、日本国民の三百十万人以上の命を奪った第二次世界大戦から六十年の記念の年であります。ところがその年に、アジア諸国との関係が最悪になっている。たいへん心が痛みます。その根本に、小泉首相が靖国神社参拝に固執するなど、過去の侵略戦争への日本政府の間違った態度があることは、明らかです。

 日本共産党の不破議長は、五月十二日の時局報告会で、このゆきづまりをどう打開するかの問題提起をおこないました。私も首相と靖国参拝問題で論戦をおこないました。「しんぶん赤旗」でも論陣をはりました。そのなかで、問われている問題の核心は、私たちが“靖国史観”と名づけた靖国神社の戦争観――過去の日本の侵略戦争を、「自存自衛」「アジア解放」の戦争と正当化する戦争観にある、首相の参拝はこの戦争観に政府公認のお墨つきをあたえることになる、それはアジアと世界で日本の生きる道をなくすものだ。これらのことを訴えてきました。

 それから三カ月。内外の情勢が大きく変わりました。国内の大手新聞があいついで社説で首相の靖国参拝の中止をもとめました。保守の政治家からも靖国参拝への懸念や批判が広がりました。アメリカ・フランス・イギリスなど欧米の有力紙も、靖国神社の戦争観に批判の焦点をあてた特集をおこないました。米国下院が戦後六十年にあたっての決議を採択し、そのなかで日本のかつての戦争犯罪を再確認するという一文が明記されました。私たちが提起したことが、内外の世論と大きくひびきあった。これらは、真実と道理のもつ強さをしめすものではないでしょうか(拍手)。そして、日本共産党がこの問題で果たしている役割の根本には、党をつくっていらい八十三年、反戦・平和を命がけでつらぬいてきた不屈の歴史があることを、ぜひ知っていただきたいと思うのであります。(拍手)

 外交のゆきづまりを打開する仕事が、自民、民主にできるでしょうか。私たちは、保守の政治家のなかにも、歴史に向かい合おうという声が広がっていることを注目しています。しかし残念なことに、自民、民主には、政党として、この事態を打開し、のりこえる力はないといわざるをえないのです。

 たとえばつい先日採択された戦後六十年の「国会決議」です。この中身は、侵略戦争への反省を欠き、逆に合理化するものでした。私たちはその問題点をきびしく批判して反対しましたが、自民、民主、公明、社民の賛成で採決が強行されました。

 さらに、自民、民主は、それぞれの党のなかに、「日本の戦争は正しかった」と公然と主張する人たちを抱えています。先日私は、テレビ朝日の番組で、自民党の安倍幹事長代理と、靖国神社の問題で対論する機会がありました。そこで私は、安倍さんに、端的に二つの質問をおこないました。一つは、「過去の日本の戦争を、靖国神社のように、『自存自衛』の正しい戦争だと考えているのか」。もう一つは、「東京裁判で有罪判決を受けたA級戦犯について、靖国神社のいうように『ぬれぎぬ』だと、罪がなかったと考えているのか」。安倍さんは、この二つの問いにたいして、「議論するのは意味がない」「歴史が判断を下すだろう」と、言を左右に明言を避けつづけました。ついに時空をこえて、ハンニバルやナポレオンのおこなった戦争までもちだして、「戦争が正しいかどうかは簡単に言えることではない」とのべました。しかし、日本がおこなった過去の戦争が、不義不正の侵略戦争であったことは、すでに歴史の審判がくだっていることではありませんか(拍手)。戦後六十年のいま、歴史を偽造しようというくわだてを、私たちは絶対に許すわけにはいきません。

 過去に正面から向き合ってこそ、未来が開けます。日本共産党は、侵略戦争と植民地支配を正当化する歴史の逆流に、正面からたちむかい、アジアの諸国とほんとうに心かよう友好の関係を築くために力をつくすものであります。

■日本共産党がのびるかどうかが、この選挙の最大の焦点です

 どうか今度の選挙では、暮らしのためにも、平和のためにも、たしかな野党――日本共産党をのばしてください。

 この党がのびるかどうかが、この選挙の最大の焦点であります。のびれば、日本の政治に希望のもてる新しい局面がかならず開けてきます。そして、二十一世紀に、アメリカいいなり・財界中心の自民党政治を大本から切り替える民主的政権をつくる道への第一歩となります。

 きたるべき総選挙での、日本共産党への絶大なご支持を心からお願いして、解散にあたっての訴えといたします。(大きな拍手)


もどる
日本共産党ホーム「しんぶん赤旗」ご利用にあたって
(c)日本共産党中央委員会
151-8586 東京都渋谷区千駄ヶ谷4-26-7 TEL 03-3403-6111  FAX 03-5474-8358 Mail info@jcp.or.jp