2005年8月2日(火)「しんぶん赤旗」

郵貯民営化

金融弱者「排除」広げる

大門議員追及 世界の流れに逆行


 一日の参院郵政民営化特別委員会で、日本共産党の大門実紀史議員は、郵便貯金の民営化で、金融サービスが受けられない「金融排除」が広がりかねない問題を取り上げ、低所得者・少額預金者の権利を奪うなと追及しました。

 「金融排除」問題とは、低所得者や少額しか預金する余裕のない人が、金融機関に口座を持つことを拒否されたり、高い口座手数料を取られるために、口座を開設することができなくなる問題。年金、給与の受け取りをはじめ、振り替え、振り込みなど基礎的な金融サービスが受けられないために、庶民の暮らしと営業にも大きな困難を及ぼします。

 郵貯利用者を貯金額で見ると、百万円以下が41・4%、三百万円以下では67・3%(図参照)。約七割が「金融排除」の対象となる小口の貯金者です。

 大門氏は、アメリカ、イギリスでは15〜23%もの世帯が口座を持てない現状があり、社会問題化していることを指摘。日本でも十万円未満の預金には月六百三十円の口座維持手数料をとる(UFJ銀行)などの例をあげ、この背景には「小口預金者が口座を作れば作るほど赤字が増える」と収益至上で小口利用者を切り捨てる大銀行の「方針」があることを指摘しました。

 大門氏は、今年が国連総会が定めた「国際マイクロクレジット年2005」で、低所得者の金融排除をなくすキャンペーンが展開されていることを提起。「世界的にキャンペーンがおこなわれている年に、よりによって郵貯の民営化をするのは、世界的な流れに逆行するものだ」とただしました。

 竹中平蔵担当相は「(金融排除は)日本でも起こりうる」としながら、「市場の活力を活用して活性化しないと人口減少社会に対応できない」と答弁しました。

図

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