2005年7月30日(土)「しんぶん赤旗」
原爆被害の全体像に迫る
ノーモアヒロシマ・ナガサキ国際市民会議
核兵器犯罪の根を断つ
「原爆が人間に何をもたらしたか。被爆六十年のいま、みなさんの力で裁きを下してください」。被爆者や広範な市民によるノーモアヒロシマ・ナガサキ国際市民会議が二十九日夕、東京・日本青年館で始まりました。三十一日まで。
初日は「映像と証言で綴る原爆被害の全体像」が行われ、原爆被害の映像を背に被爆者が次々と証言。「川のほとりで女性が顔を洗っていました。その女性の体は燃えているんです。ピンク色に焼けた顔は、まぐろの刺し身のようでした」などの話と映像に、三百五十人の参加者がひきつけられました。
原爆爆裂の十秒の瞬間を検証した映像や原爆症認定のたたかいを映像とともに紹介。原爆被害の全体像に迫りました。
藤平典さん(日本被団協代表委員)が「人間を人間でないものにするのが原爆。人間でありえなかった自分を背負ってきたのが被爆者」と自身の被爆体験を交えて開会あいさつ。「核兵器犯罪の根源を断つ道を探るのがこの会議の課題です」と訴えました。
十二歳と九歳の息子と一緒に参加した井上みちよさん(39)=東京・世田谷区=は「子どもも夏休みですし、今年の夏は勉強しようと思って来ました」と話しました。
同会議は被爆六十年の今年、高齢化がすすむ被爆者が各界各層の幅広い人たちに呼びかけ、実行委員会を結成。作家の井上ひさしさんや秋葉忠利・広島市長、伊藤一長・長崎市長らが呼びかけ人になっています。