2005年7月30日(土)「しんぶん赤旗」

オール与党国会で解明進まず

自公 迂回献金規制せず

民主 企業献金を容認


 日本歯科医師連盟(日歯連)によるヤミ献金事件は、山崎拓前自民党副総裁への東京第二検察審査会の「起訴相当」議決で、改めて自民党の組織ぐるみのヤミ資金操作という深刻な問題を浮上させました。しかし、国会での疑惑解明は自民党が証人喚問、参考人招致を拒否するなか一向に進んでいません。背景には日本共産党を除く「オール与党」国会の弊害ともいえる問題があります。

■証人喚問を拒否

 八、十五の両日、自民・公明、民主双方提出の政治資金規正法「改正」案(前国会から継続審議中)が衆院倫理選挙特別委員会で審議されました。

 自公案は、問題となった迂回(うかい)献金を規制する条項がなく、実効性がありません。一方の民主案は、公共事業受注企業の献金禁止や迂回献金禁止など前向きな内容はありますが、企業・団体献金は容認しています。

 与党は会期末法案処理で同案を再び継続審議にすることを内定しています。

 日本共産党は、吉井英勝、佐々木憲昭両議員が同委員会で、日歯連の迂回献金疑惑を追及し、真相解明を求めました。日歯連事件の解明は法案審議の前提です。証人喚問などを拒否し真相解明に後ろ向きで、法的規制もできないのが自民党です。

■暴露の「泥仕合」

 今国会序盤の「政治とカネ」の問題をめぐる論戦では、民主党が日歯連問題で自民党を追及する姿勢を見せました。自民、公明両党は民主党の選挙違反事件やぐるみ選挙問題、組織活動費問題を持ち出して疑惑暴きに終始。「泥仕合」の様相のなか民主党の追及は不発に終わりました。

 なぜこうなるのか。自民党だけでなく民主党も企業・団体献金、政党助成金を受け取り、団体ぐるみ選挙を認める共通の土台に立っているからです。

 郵政民営化で“解散風”が吹く国会。衆院のある委員会の理事会では自民、民主の議員が「パーティーは二年に一回ではダメ。半年に一回か毎年やらなきゃ」「私は二千円の券で一万人集める」などと情報交換する場面がありました。形を変えた企業献金集めである政治資金パーティーへの後ろめたさはどこにもありません。

 自民党は「企業献金は悪ではない」(小泉首相)という立場で、汚職腐敗事件で国民の政治不信を増幅させてきました。「政権準備政党」を名乗る民主党も五億円の企業献金目標を掲げ、企業回りを強めています。これでは腐敗の構造に切り込めるはずはありません。

 「オール与党」は金権腐敗政治から抜け出せないだけでなく、財界、大企業を利する政策かどうかで政党を評価し献金をばらまく日本経団連の方針にそって、政治の中身でも財界いいなりです。消費税・サラリーマン大増税、社会保障切り捨てと相次ぐ負担増などで、自民党も民主党も悪政を競い合っています。

▼共産党、腐敗一掃求める

 この対極にあるのが日本共産党です。企業・団体献金も政党助成金も受け取らず、国民と直接結びつき浄財で政治活動をする姿に「他の政党も、本気になればやれることを共産党は証明している」(田中克人・福祉社会研究所理事長、『エルネオス』二〇〇四年十一月号)という評価もあります。

 腐敗一掃へ徹底した追及を重ねる日本共産党の論戦は、旧橋本派所属議員の献金記載もれの独自調査を新聞社説がとりあげるなど、マスメディアにも注目されています。

 (古荘智子)


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