2005年7月24日(日)「しんぶん赤旗」

漁業被害問題化の諫早干拓

農水相 「反対の気持ちわからない」


 島村宜伸農水相は二十三日、国営諫早湾干拓事業(長崎県)の現場を初めて訪れ、干拓地内で行われている営農試験などを視察しました。島村農水相は、その後の記者会見で「総じて諫早湾干拓事業はやってよかったといって過言ではない。反対する人たちの気持ちが分からない」などと感想を述べました。

 同相は、干拓地が果たす役割を指摘した上で、「よく実情を見ながら、反対すべきはしてほしい」と事業反対派を批判しました。

■実情みていない

 高村暎(あきら)・諫早湾の干潟を守る長崎共同センター代表の話 諫早湾干拓事業の総事業費は二千五百億円を超えたのに対し、干拓による計画農業粗生産額はその2%にも満たない、たったの四十五億円に過ぎません。漁民側が敗訴した福岡高裁の決定でさえ「有明海のノリ生産額は二〇〇四年度と大不作の二〇〇〇年度との差が百七十六億円に上る」として、漁業生産額がはるかに大きいことを強調、干拓事業の影響を調べる開門調査をすべきだといっているくらいです。

 漁民の声はまったく無視しており、よく実情を見ていないのは大臣の方です。農業も漁業も知らない発言で、農水大臣の資質が問われるものです。


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