2005年7月23日(土)「しんぶん赤旗」

米グアンタナモ基地返せ

ノーベル賞受賞者ら声明


■キューバへ

 【メキシコ市=松島良尚】「テロ容疑者」が虐待を受けているとしてキューバのグアンタナモ米海軍基地にある収容所の閉鎖を求める声が国際的に高まる中、ノーベル賞受賞者らが連名で、同基地そのもののキューバへの返還を求める声明を発表しました。キューバ共産党機関紙グランマ二十日付に掲載された声明は「米国はただちに、グアンタナモから撤退せよ」と述べています。

 発表したのは、ナディン・ゴーディマ(一九九一年ノーベル文学賞、南アフリカ共和国)、サラム・ラムラニ(キューバ研究者、フランス)、ノーム・チョムスキー(言語学者、米国)、リゴベルタ・メンチュ(九二年ノーベル平和賞、グアテマラ)、アドルフォ・ペレス・エスキベル(八〇年同、アルゼンチン)の五氏。

 声明は、「米国は一世紀以上にわたり、キューバ国民の主権に反して干渉し、戦争をおこない、帝国主義的な条約を押し付けてきた」と指摘。米国が一八九八年にキューバのスペインからの独立戦争に干渉してグアンタナモを手に入れて以降、現在に至る経過を説明。「国家間、国民間の真の人間性は正義のもとにおいてのみ存在しうる」として、米国の無条件の撤退を求めています。

 米国は、一九〇一年キューバ共和国憲法の中に米国の干渉権と基地使用権を認めさせる修正条項を押し付け、この条項が廃止された三四年には新条約によってグアンタナモ基地の無期限貸与をキューバに認めさせました。米国は貸与料として四千ドルの小切手を毎年、キューバ政府に送付していますが、五九年の革命後、キューバ政府は一度も小切手を換金したことはありません。


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