2005年7月21日(木)「しんぶん赤旗」

米高官言いたい放題

米軍再編―土地返せに終始するな

集団自衛権の憲法論議ばかげてる


■シーファー駐日米大使

 アメリカのシーファー駐日大使は二十日、日本記者クラブで講演し、「イラクでの必要な作業は今年末までに終わらない。国際社会は、イラクの再建は終わったとは考えないと思うが、その意思決定は日本政府がおこなわなければならない」と語り、本年末で駐留期限がくるイラク駐留の自衛隊について日本政府による派兵期間の延長決定に期待を表明しました。

 シーファー大使は、同問題で「イラク駐留の外国の軍隊が仕事をおざなりにして本国へ帰ってしまえば大きな代償を強いられる。そういった失敗には、われわれがツケを支払わされてしまう」とものべました。

 在日米軍再編問題に触れたシーファー大使は、「在日米軍はアメリカにとっても、日本にとっても、この地域全体にとっても、戦略的な重要性を持っていることを理解し、このことを忘れることなく再編問題は検討されるべきだ」と指摘しました。

 そのうえで沖縄米軍基地が縮小されるかどうかについて、「どのぐらいの土地を返せとかいうことに終始するのではなく、忘れてはならないことがある。駐留米軍の能力を削減することはしたくない。そんなことをすれば誰も望まないような結果がもたらされてしまう」として、基地返還のためでなく米軍の戦力維持・強化のための再編作業であると強調しました。

■米国防総省上級日本部長

 米国防総省のジョン・ヒル上級日本担当部長は十九日、都内のシンポジウムで講演し、集団的自衛権の行使をめぐる日本国内の議論を「ばかげている」と強く批判しました。

 自衛隊による海外での米軍との共同作戦が憲法違反の集団的自衛権の行使にあたるとの日本政府の解釈について、同部長は「いかなる国家の防衛にとっても、集団的自衛権(の行使)が憲法上許される範囲を超えるかどうかという神学論争のような議論は、ばかげたものになる。自国を防衛できるかどうかの能力は、他国との集団的防衛と不可分に絡み合っているからだ」と批判。集団的自衛権の行使を当然視しました。

 在日米軍再編に関連してヒル部長は、昨年十二月に決定した新「防衛計画の大綱」を、「自衛隊の新しい役割を強調しており、特筆に値する」と高く評価。その上で、「日本と国際社会の安全保障のために自衛隊がより多くの活動をするなら、(在日米軍の兵力構成で)変化が期待できる。そうでなければ、在日米軍の兵力を残さざるをえず、地域社会とのあつれきが増すばかりだ」とのべ、米軍の地球規模の軍事活動へのいっそうの貢献を要求しました。

 再編協議の結果については、「一刻も早く公表する必要がある」とのべました。


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