2005年7月21日(木)「しんぶん赤旗」

アスベスト被害者救済へ

全国調査 実施早く

衆院厚労委で吉井議員要求


 アスベスト(石綿)による中皮腫、肺がんなどの健康被害への不安が広がるなか、日本共産党の吉井英勝議員は二十日、衆院厚生労働委員会で、被害者の救済のため、早急に全国調査を実施し、健康被害の実態を把握するよう要求しました。

 吉井氏は、「我が国における悪性胸膜中皮腫死亡数の将来予測」(二〇〇二年)によると、アスベストの健康被害者が二〇〇〇年からの四十年間で約十万人も増え、過去十年の約五十倍になる可能性があるとされていることを指摘。アスベストの使用を中止してからも、三十―五十年後に発症するという健康被害の実態を公表したニチアス(東京・港区)のデータは、この予測を裏付けていると強調しました。

 吉井氏は、早急に全国の労働基準監督署のデータと、アスベストを扱った企業の協力を得て、被害の実態を明らかにする必要があると主張。厚生労働省の青木豊・労働基準局長は「労災認定をされた人たちを、個別に実態調査したい」と答弁しました。

 吉井氏は、一九七二年に当時の日本共産党の山原健二郎議員(故人)が、衆院科学技術振興対策特別委で、アスベストに関する安全対策について質問し、滝沢正・厚生省公衆衛生局長(当時)が「一般住民の検診についてはわれわれのほうで考慮する必要がある」と答弁したことを紹介。「三十三年前に約束したように、健康診断をする必要がある。労働者には労災補償があるが、家族や周辺住民が被害者になった場合、医療費などの補償がない」とのべ、アスベストに関するすべての健康被害者を救済するよう要求しました。

 環境省の滝澤秀次郎・環境保健部長は「情報収集をした上で、専門家に科学的な助言をしてもらい、どのようなことをすべきか、どのような調査が可能か、検討していく」と答えました。


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