2005年7月20日(水)「しんぶん赤旗」

住宅地まで300メートル 流れ弾怖い

沖縄県民集会 怒り渦巻く

若者・おじー・おばーも


 「伊芸区の痛みは基地の島沖縄の痛みです」「危険な実弾訓練をいますぐ中止させてください」―。十九日、米軍の都市型戦闘訓練施設の撤去を求める沖縄県民集会。子どもを抱いて一家そろって参加した家族や若者、おじー、おばー…。真夏の夕暮れ、残照の中に真剣な顔が、浮かび上がりました。


 基地問題で超党派の県民集会が開かれるのは、米兵による少女暴行事件に抗議した県民総決起大会(一九九五年十月)以来。

 米軍が実弾を使った訓練を強行した同施設は、沖縄県金武(きん)町伊芸区の住宅地まで三百メートル。住民は「いったい世界中のどこに、住宅地のこんな近くで実弾訓練をしているのか」と激しい怒りに声をふるわせます。

 四歳と一歳の二人の子どもを連れて参加した母親(31)は「流れ弾が子どもに当たったらどうするのか、不安でたまらない。安心した生活を送りたい」と話します。

 金武町では、祖国復帰後だけで十数件の流弾事故が発生。住民は「戦場にするな」と訴え、同施設の建設に反対、抗議してきました。

 約四百二十日にわたって毎朝抗議行動を続けてきた伊芸区の住民を代表して、伊波佳さんが「不安のない生活環境で子・孫を育てたい。この当たり前の願いをどこの政府にお願いしたらいいのか」と問いました。

 高校一年生の中江夕姫さん、山田梨乃さんは「なぜこんなにたくさんの人が反対しているのに、建設され、訓練がおこなわれるのか理解できません」とのべ、県民の力で安心して暮らせるように解決してほしいと訴えました。

 宜野湾市から参加した玉城清朝さん(53)は「いつまでも植民地扱いするな。日本国民として平等に扱ってほしい。沖縄に、軍隊と名の付くものは、自衛隊も米軍も一つもいらない。世界中の人と友だちだ。沖縄に軍事基地がなくても戦争を仕掛けてくるところは一つもない」と語ります。

 参加者は集会後、キャンプ・ハンセン第一ゲート前までデモ行進。「静かな生活を返せ」「沖縄に基地は、いらない」との唱和を響かせました。

 


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