2005年7月18日(月)「しんぶん赤旗」

49年8月 謀略の真相は

福島 松川事件、地元で初の集会

松本氏講演


 国が労働組合員や日本共産党員を列車転覆事件の犯人にでっちあげた謀略事件「松川事件」の地元の福島市松川町で十七日、いまこそ事件の真相を知ろうと「松川事件の真実を語る」集会が開かれ、元事件弁護人の松本善明さん(前日本共産党衆院議員、弁護士)が講演しました。

 主催は福島県松川運動記念会、同地元の会、日本国民救援会福島県本部。同事件で地元集会が開かれたのは初めてで、町民ら約二百八十人が集まりました。

 地元の会の渡辺賢一さんは「事件から五十年以上がたち、いま町民も『本当のことを知りたい』となってきた」とのべました。

 松本氏は、無罪判決が「珠玉の真実を発見した」とし、国賠訴訟判決が起訴・公判継続自体を「違法」としたことなどを挙げ、「元被告の人たちの無罪は不動のもの」と解説しました。

 「ではだれが真犯人か」。松本氏は、犯人を名乗る人間からの手紙を紹介。さらに、占領軍が当時「軍の作戦」といって党福島県委員会に党員とシンパの名簿提出を命令したり、占領軍の謀略機関「CIC」が被告の会社側や一審の裁判官と連絡をとっていたことを指摘しました。

 松本氏は、「事件の最大の被害者は三人の殉難者。政府は真相を明らかにする責任がある」と強調。さらに「二度とこういう犯罪、政治的な謀略をやらせない世界的な世論をつくっていかなくてはならない。それが福島県民、松川町民に課せられているし、日本共産党もやらなくてはいけない」とのべました。

 集会では元被告の鈴木信さん(85)が松川町民へのお礼をのべ、「“真犯人発見の努力を”。これはすべての松川事件犠牲者の一致した願いではないでしょうか」と語りました。松川国賠訴訟弁護団で活動した安田純治弁護士(元衆院議員)も講演し、警察の「自白」強要でいかに被告の供述が変遷したかを指摘しました。


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