2005年7月15日(金)「しんぶん赤旗」

「つくる会」と靖国派 太いパイプ

神社勉強会に教科書執筆者


 「新しい歴史教科書をつくる会」と同様に、侵略戦争を肯定し「国のために死ぬ」ことを褒めたたえる「靖国史観」の推進派。靖国神社境内で開かれている公開シンポジウムや勉強会に、「つくる会」の中心メンバーが繰り返し出演、講師などを務めています。人脈を通じて両者の太いパイプが浮かび上がります。

 今年三月に靖国神社参集殿で開かれた「第六回英霊慰霊顕彰勉強会」。神社の後援組織「靖国神社崇敬奉賛会」の主催です。テーマは「日本の転機と靖国神社の将来」。

 講師を務めたのは中西輝政・京都大学教授と小堀桂一郎・東京大学名誉教授の二人です。中西氏は「つくる会」理事。小堀氏は同会の賛同者。第一回から連続して進行を担当するのが、同会副会長の高森明勅氏(拓殖大学客員教授)で、扶桑社版歴史教科書の執筆者の一人です。

 勉強会では小堀氏が「日本という国は神武天皇の建国以来天皇の統治したまう国」「教育勅語を復活すればよろしい」「現憲法が日本人の国家意識分裂の原因となっている」などと発言。

 中西氏も「英霊の御霊(みたま)がかろうじて日本の主権と独立を護っている」「日本国憲法の第9条というのは、到底このままにはしておけない」などと平和憲法を攻撃する発言をしています。(勉強会記録集から)

 この勉強会は「英霊慰霊顕彰の機運を戦後世代に継承する」ことを目的に二〇〇一年にスタート。第一回の講師に新田均氏(つくる会理事)、第四回に西尾幹二氏(名誉会長)と大原康男氏(賛同者)、第五回に長谷川三千子氏と百地章氏(ともに賛同者)が名を連ねています。西尾氏は「日本の起こした戦争などというものは無く、日本の戦争は全て防衛であった」と発言しています。

 同様に崇敬奉賛会が一九九九年から開いている「公開シンポジウム」(後援・産経新聞社)では、元「つくる会」副会長で埼玉県教育委員に就任した高橋史朗氏がレギュラーパネリストを務めています。主催する崇敬奉賛会の設立趣意書は「英霊の御遺徳を子々孫々にまで変わることなく顕彰し伝えていく」とうたっており、勉強会とシンポの開催が活動の中心です。「つくる会」メンバーがその重要な部分を担っています。


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