2005年7月14日(木)「しんぶん赤旗」

都市型訓練 即中止を

沖縄・金武町民ら抗議集会


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(写真)米軍キャンプ・ハンセンの第1ゲート前で怒りのシュプレヒコールをあげる伊芸区民ら=13日、沖縄県金武町

 地元住民の強い反対を押し切り、米陸軍特殊部隊(グリーンベレー)がキャンプ・ハンセン「レンジ4」(沖縄県金武町)内で都市型戦闘訓練を強行したことに対する緊急抗議集会が十三日朝、同キャンプの第一ゲート前で開かれ、四百人を超える町民らが「米軍の無謀な演習を許すな」「金武町民は最後までたたかうぞ」とシュプレヒコールを繰り返しました。

 集会の最中には、二日目の都市型訓練強行が伝えられ、会場はいっそうの怒りに包まれました。

 儀武剛・金武町長は「今日もいま、訓練が始まっています。これを許すことができるでしょうか。県民ぐるみの反対の声に耳を傾けない、日米両政府に強い怒りを覚える」と力を込めました。

 町議会の松田義政議長は「政府は(民間地に)弾が届く距離にある都市型施設を安全といっているがまったく道理が通らない。訓練強行の暴挙に対して怒りをもって抗議したい」と訴えました。

 訓練場から約三百メートルしか離れていない同町伊芸区の池原政文区長は、地域の人々が流弾などの事故に苦しめられ続けてきたことを強調。「われわれは決してわがままを言っているわけではなく、人間として当たり前の生活をしたいと言っているだけなのです。町民・県民が一体となって危険な訓練と施設の撤去を求めていこうではありませんか」とよびかけました。

■共産党沖縄県委が要請

 日本共産党沖縄県委員会の古堅宗嘉書記長、前田政明、嘉陽宗儀の両県議は十三日、那覇防衛施設局、外務省沖縄事務所などを訪ね、地元住民をはじめ、県、県議会の抗議の声を無視し、米陸軍特殊部隊による都市型訓練を強行したことに強く抗議し、実弾射撃演習の即時中止と訓練施設の撤去を求めました。

 古堅氏らは、金武町伊芸区に建設された都市型施設は、住宅地に近く、過去に何度も流弾事故を起こしている“欠陥訓練場”だと指摘。「そこでの実弾演習は、住民を大変な危険にさらすことになる」と訴えました。

 さらに、米軍の都市型戦闘訓練は、「イラク戦争など戦場と直結し、世界の平和を脅かすものであり、平穏な県民生活と戦闘状態の米軍とは共存できない」と強調。住民の安全よりも米国に追従して訓練を容認した日本政府の態度を厳しく批判しました。

 那覇防衛施設局で対応した千葉俊之連絡調整室長は、「訓練場は安全に配慮したものになっていると認識している。米軍は日米安保条約の目的を達成するために、最小限の訓練を行う必要がある」と従来の見解を繰り返すにとどまりました。

■訓練の中止と施設撤去要求

■安保破棄中実委など

 安保破棄中央実行委員会、新日本婦人の会、日本平和委員会、全国商工団体連合会は十三日までに、都市型戦闘訓練をただちに中止し、施設を撤去するよう求める抗議文をアメリカのブッシュ大統領や大野功統防衛庁長官に送付しました。


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