2005年7月13日(水)「しんぶん赤旗」

ミサイル防衛

生命・財産守れない

参院委 緒方議員が指摘


 「『ミサイル防衛』で国民の生命・財産を守ることが本当に可能なのか」――。日本共産党の緒方靖夫議員は十二日「ミサイル防衛」システム運用のための自衛隊法改悪案を審議する参院外交防衛委員会で、そもそも同システムは日本全土を防護できないことを指摘しました。

 政府が導入を進める「ミサイル防衛」は、イージス艦に配備する迎撃ミサイル(SM3)と地上配備の迎撃ミサイル(PAC3)で構成されています。緒方氏は、PAC3が配備されるのは首都圏を中心に三カ所のみであること、SM3を搭載したイージス艦も常時運用できるのは一隻だけであることを指摘しました。

 緒方氏の指摘に、大野功統防衛庁長官は(1)PAC3は政治・経済の機能が集中する地域に配備する(2)PAC3一セットあたりの防護範囲は数十キロで、日本全土を守るには足りない―ことを認めました。

 さらに、米国ではPAC3の迎撃実験が「十二回中十回成功した」とされていますが、大野長官は「この実験ではおとり(にせの弾道弾)を使用していない」と答え、限られた条件での実験だったことを明らかにしました。

 緒方氏は「米軍は迎撃ミサイルの実験成功を誇示するが、詳細な内容は公表されていない」と指摘し、政府に対して「実験結果を公表すべきだ」と要求しました。


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