2005年7月12日(火)「しんぶん赤旗」

英国テロ

宗教指導者が非難

キリスト・イスラム・ユダヤ教が団結

「正当化できない悪」


 【ロンドン=西尾正哉】ロンドンで七日起きた同時テロについて、英国のキリスト教、イスラム教、ユダヤ教の五人の宗教指導者が十日、ロンドン市内で一堂に会し、テロを非難する声明を発表しました。

 ユダヤ教の指導者ジョナサン・サックス師、イスラム教のザキ・バダウィ・モスク評議会議長、キリスト教では自由教会のデービッド・コフィー議長、カトリックのマフィー・オコーナー枢機卿、英国国教会のローワン・ウィリアムス大主教の五人が声明を交代で読み上げました。

 声明は、「テロは決して正当化できない悪行だ。断固非難し拒否する」とし、「わたしたちはテロの悪に抵抗し克服する決意を共有する」と表明しました。

 ウィリアムス大主教は記者団に「ある宗教がほかの宗教より暴力的だというのは誤った考えだ」と指摘。バダウィ議長は「完全に教えに反するのにイスラムの名前で行動する人々もいる」とイスラム教の名によるテロを批判。「このような人たちにイスラムの本質を説明し、彼らの憎しみと怒りの神学上の根拠を議論したい」とのべました。

 また、ローマ法王ベネディクト十六世は十日、バチカンで行った礼拝で「憎しみの感情を助長し嫌悪すべきテロを行った人たちに対して“神は生命を愛する。神は生命をつくりたもうた。死ではない。テロをやめるべきだ”と言いたい」と表明しました。

 ロンドン市内中心部では同日、第二次世界大戦勝利の六十周年記念式典が開かれ、二十五万人が会場のバッキンガム宮殿に詰めかけました。演説したエリザベス女王は「大戦から六十年たっても残念ながら世界は戦争やテロと無縁ではない」「大戦中の世代が示した忍耐とユーモアの精神、勇気を今日の人がよき前例としている」とのべ、参加者とともにテロとたたかう決意を示しました。


もどる
日本共産党ホーム「しんぶん赤旗」ご利用にあたって
(c)日本共産党中央委員会
151-8586 東京都渋谷区千駄ヶ谷4-26-7 TEL 03-3403-6111  FAX 03-5474-8358 Mail info@jcp.or.jp