2005年7月8日(金)「しんぶん赤旗」

ロンドンで同時テロ

地下鉄・バス爆発 33人超す死者

世界中から非難の声


 【グレンイーグルズ=西尾正哉】ロンドンの市バスと地下鉄が七日朝、何者かによりほぼ同時に連続して爆破されました。英BBC放送は地下鉄三カ所とバス一台が爆破されたと報じましたが、バス一台のほか少なくとも五つの地下鉄駅で七つの爆発があったとする報道もあり情報は錯綜(さくそう)しています。

 英警察は同日、少なくとも三十三人の死亡が確認されたことを明らかにしました。また、多数の市民が病院に運ばれて手当てを受けました。英スカイテレビによると、死者は少なくとも四十五人、負傷者は千人としています。重傷者は百五十人に及ぶとロイター通信は伝えました。

 野蛮な無差別テロに世界中から非難の声が上がっています。

 英国のブレア首相は、主要国首脳会議(G8サミット)の開催されている英北部のスコットランド・グレンイーグルズで声明を発表し、「野蛮なテロ行為」と断じました。G8首脳は、中国、ブラジルなどサミットに招待された新興経済諸国の首脳らとともにテロを許さないとの声明を出しました。

 イスラム組織がウェブサイトで犯行声明を公表したとの情報もあります。

 BBC報道によると、爆発があったのは通勤で込み合う午前八時五十分ごろ。地下鉄はエッジウェアロード駅、ラッセルスクエア駅とキングズクロス駅の間、オールドゲート東駅とリバプールストリート駅の間の三カ所。バスはラッセルスクエア付近で爆破されました。

 爆破されたバスの前を走っていたバスの乗客は「信じられないほどの大きな爆発音を聞いて振り返ると二階建てバスの上部が空を飛んでいた。バスはすべて満員だったので多くの人が死亡したに違いない」とBBCに目撃談を話しました。

 この同時爆発事件でブレア首相は、同日午後、サミットを中座し、軍のヘリコプターでロンドンに向かいました。

 警察は市民にたいし、いま居る場所を離れず、救急車を呼ぶ場合は生命にかかわる場合だけにするように呼びかけています。

 ロンドンの市バスは中心部の運行を、地下鉄はネットワーク全体を取りやめました。

 ロンドンは六日、国際オリンピック委員会(IOC)総会で二〇一二年夏季五輪の開催地に選ばれ、市内で祝賀行事がおこなわれたばかり。英警察はサミットがあるグレンイーグルズに全国から集めた警察官一万人を動員し、警戒にあたりましたが、盲点をつかれた形になりました。

■G8・新興5カ国が声明

 【グレンイーグルズ=浅田信幸】ロンドンで七日朝起きた連続爆破事件について、スコットランドのグレンイーグルズで開催中の主要国首脳会議(G8サミット)八カ国と、中国、ブラジルなど招待された新興経済五カ国は同日、「すべての国と文明世界に対するテロ攻撃」であり「野蛮な」行動であると非難する共同声明を発表しました。

 声明はさらに「われわれは統一してテロに立ち向かい打ち負かす決意である」と宣言しています。


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