2005年7月6日(水)「しんぶん赤旗」

アスベスト(石綿)

予防対策遅れた責任

解説


 これまで公表されることなく闇に葬られてきたアスベスト(石綿)の製造・関連会社の労働者らの健康被害。その深刻な被害が次つぎと明らかになり、予防対策を遅らせた企業、行政の管理責任が問われています。

 経済産業省は今月一日に関連企業、業界に労働者の健康状況の報告を求めることを決めましたが、アスベストの使用実態、労働者の健康被害などの実態や工場周辺住民の健康被害などもつかまれていませんでした。

 アスベストは、綿状の鉱物で、安価な工業材料としてブレーキ磨耗材、防音材、断熱材、保湿・保温材などに使用され、国内の八割がアスベスト含有建築材として使われました。目に見えない細かな繊維となって飛散するため、肺繊維症、悪性中皮腫の原因となり、アスベストは、肺がんを二十―三十年以上の長い潜伏期の後発病させる特徴があります。

 ニチアス社長が会長を務める日本石綿協会は、クボタでの健康被害判明を受け、今月六日までに加盟会社にアスベスト健康被害などの報告を求めています。アスベスト被害の工場が公表されることで、これまで見逃されていた住民健康被害が明るみにでてくる可能性もあり、すべてのアスベスト健康被害の公表と実態究明が行政に迫られています。(宇野龍彦)


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