2005年7月3日(日)「しんぶん赤旗」

学生九条の会 全国に44

HP・パネル展・講演会

取り組み工夫 「関心高い」


 大江健三郎さん(作家)や加藤周一さん(評論家)ら日本の知識人・文化人9氏が、九条をはじめ憲法を守るために「九条の会」を結成し、あらゆる努力を呼びかけたアピールを発表してから1年。アピールにこたえ、全国の各地、各分野で草の根の「会」が次つぎに結成されています。今年に入ってからは学生分野で「会」の誕生が相次ぎ、6月末までに44大学(準備会も含む)に広がっています。


 「九条の会」のアピールは、「日本と世界の平和な未来のために、日本国憲法を守るという一点で手をつなぎ、『改憲』のくわだてを阻むため、一人ひとりができる、あらゆる努力を、いますぐ始めることを訴えます」と呼びかけています。

 京都市の花園大学では一日、「花園大学9条の会」が結成されました。この日開かれた「宗教者九条の和」の呼びかけ人で元学長の河野太通さんの講演会に合わせて発足したもの。「今こそ世界の平和のために九条の歴史・役割・可能性を学び、いっしょに考えていきたい」とのアピールを出し、賛同を呼びかけました。

 各大学の「学生の九条の会」は、ホームページをつくって「アピール」への賛同を集めたり、連絡をとりあうなど、それぞれ工夫をこらした活動をしています。

 愛知教育大学では、五月に開いた「会」の発足集会で、ドキュメンタリー「映画日本国憲法」を上映しました。独自に毎月九日を「九条の日」として、イラク・ファルージャ大虐殺の「パネル展」などのイベントを企画・実施しています。

 大阪千代田短大は、昨年十一月に「会」を結成しました。学生総数は六百人ほどですが、約百人から賛同を得ています。メンバーの学生は、地域の「九条の会」がおこなうイベントへの協力や、街頭宣伝など、市民と一緒に行動しています。

 中央大学や早稲田大学の「会」は、「伊藤塾」塾長で法律家の伊藤真さんを講師に招いて講演会を開き、憲法を学習したりしています。いずれも百人を超える学生が参加し、憲法問題への関心の高さを示しました。

 東京大学では、学園祭で開いた伊藤氏の講演会に三百人がつめかけました。学生が「改憲論の背景にあるグローバリゼーション」などのテーマを決めて月に一度、学習会を開き、憲法をさまざまな視点で学んでいます。

 今年一月に結成された青森県の弘前大学の「弘大生九条の会」は三月以来、毎週一回、学習会を継続しています。教授の助言を受けながら、学生が中心になって憲法を学び、語り合っています。「学内で『会』を広めていこう」と張り切っています。


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