2005年7月2日(土)「しんぶん赤旗」

ドイツ議会

首相信任案を否決

9月総選挙が濃厚に


 【ベルリン=片岡正明】ドイツの連邦議会は一日、シュレーダー首相の信任案を賛成一五一、反対二九六、棄権一四八で否決し、九月に前倒しの総選挙が実施される可能性が濃厚になりました。シュレーダー首相は議会の不信任を受けてケーラー大統領に連邦議会解散を要請、大統領は二十一日以内に解散するかどうかを決めます。

 シュレーダー首相は信任案提出演説で、一連の州議選敗北、欧州議会選挙の敗北を受け、与党の社会民主党と90年連合・緑の党の連立政権の政権担当能力が問われていると表明。さらに、社会福祉国家を維持しながら経済のグローバル化(地球規模化)と高齢化に挑戦する「改革」政策「アジェンダ二〇一〇」について選挙で信を問うことを改めて強調しました。

 「アジェンダ二〇一〇」については、健康保険改革での窓口での負担導入や、失業者への援助金削減、年金支給額の凍結など国民に痛みを伴う政策が含まれ、労組や民主的社会主義党(PDS)は批判しています。

 総選挙は九月十八日の予定ですが、世論調査(六月二十九日発表)の与党・社民党の最新の支持率は26%、90年連合・緑の党は7%と、CDU・CSUの46%、自由党の6%には遠く及びません。また、旧東独を基盤とするPDSと旧西独で一定の支持を得ている「労働と社会的公正のための代案」の二党がつくる新左翼連合は11%の支持率を得ており、躍進する可能性があります。

 一方、今回のシュレーダー首相の信任案否決による解散については、いくつかの少数政党が憲法違反と訴える構えで、選挙実施確定にはなお時間がかかりそうです。


もどる
日本共産党ホーム「しんぶん赤旗」ご利用にあたって
(c)日本共産党中央委員会
151-8586 東京都渋谷区千駄ヶ谷4-26-7 TEL 03-3403-6111  FAX 03-5474-8358 Mail info@jcp.or.jp