2005年6月29日(水)「しんぶん赤旗」

借りられない新銀行東京

大門議員が是正求める 「中小企業に厳しい」


 「税理士の決算、申告がなければ門前払い」―東京都が主体となって四月に開業した「新銀行東京」(本店・千代田区)が、中小企業に対する融資で厳しい要件を課している実態が二十八日、参院財政金融委員会での日本共産党の大門実紀史議員の追及で明らかになりました。

 大門氏が示したのは同銀行の無担保無保証人融資のパンフレット。融資の要件として、事業者には「税理士の署名のある決算・申告書」、個人は「青色申告書」の提出を求めています。同じ条件の融資の際にこうした要件をつけている銀行は主要行のなかでは(信託をのぞき)ほかにありません。

 大門氏は、すべての事業者が税理士に決算や申告を依頼しているわけではなく、小規模の事業者はみずから決算・申告をおこなっているのが現状だと指摘。「大手銀行でもやらないことをなぜ承認したのか」と金融庁の責任をただしました。

 金融庁の佐藤隆文監督局長は、こうした条件によって融資対象から外れる事業者が出てくることは認めながら、「(融資するかどうかは)基本的には銀行の経営判断による」と答弁しました。

 大門氏は、この問題で同銀行に要請した際に、同行から改善の余地がある旨の回答を得たことも紹介し、金融庁としても是正に向けた指導を強めるよう要求しました。

 同銀行をめぐっては、中小企業が融資を頼んでも拒否されるケースが相次ぎ、金利も9%から上限15%という「商工ローン」並みの高金利であることなどから、中小業者からは「中小企業の銀行といいながら、実態は役に立たない銀行だ」との批判の声が上がっています。


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