2005年6月28日(火)「しんぶん赤旗」

自民議員事務所が「天の声」

道路公団の橋梁談合疑惑

受注希望企業を伝達

2000年ころまで


 日本道路公団発注の鋼鉄製橋梁(きょうりょう)工事をめぐる談合疑惑で、自民党の有力建設族議員事務所が「天の声」を出すシステムがあったことが本紙の取材で分かりました。同談合疑惑では、公団OBなどの関与が指摘されていますが、政界の関与も今後の疑惑解明の重要なポイントとなります。

 道路公団幹部を含む複数の関係者によると、公団発注の橋梁工事は、元公団理事が三菱重工業前橋梁部次長の助言を受け、談合組織加盟企業への工事配分をおこなってきた、といいます。

 元公団理事は理事当時は高速道路の担当。検察当局の事情聴取に、受注調整への関与を認めています。

 自民党の有力建設族議員事務所の関与は、元公団理事らによる受注調整に先立っておこなわれていたもの。公団の高速道路担当の幹部が、自民党の有力建設族議員事務所に、公団が発注する橋梁やトンネルなどすべての道路建設工事のリストを提出。事務所側は、一部工事について受注希望企業名を公団側に伝えてきた、といいます。

 受注希望企業名を伝えてくるのは、トンネル工事などが多く、橋梁工事については少なかったもようです。

 関係者はこのようなやり方での自民党の有力建設族議員事務所の関与は、少なくとも一九八〇年代からあった、と証言します。

 しかし、二〇〇〇年に公団総裁に就任した藤井治芳氏が特定の有力建設族議員事務所の関与をきらい、事務所にお伺いを立てるやり方はなくなった、といいます。

 公団幹部も「公団が以前、有力建設族議員事務所を大事にしてきたのは事実だ。しかし藤井さんは永田町とぶつかったと聞いている」と話しています。

 藤井氏は総裁時代、公団発注のトンネル工事をめぐり自民党の青木幹雄参院議員会長らと対立。公団の調査でも、同工事の関係で青木議員らが藤井氏などに電話をしてきたことが判明しています。


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