2005年6月27日(月)「しんぶん赤旗」

ブルガリア総選挙

社会党が第一党へ

イラク即時撤退掲げる


 【ミュンヘン=片岡正明】ブルガリアの首都ソフィアからの報道によると、ブルガリアの議会選挙(一院制、定数二四〇)の投開票が二十五日行われ、開票率97%の時点で「イラク派兵部隊の即時撤退」を求める社会党が31・3%と躍進、第一党になることが確実になりました。現政権与党の「シメオン二世国民連合」は19・96%でした。また、右翼の立場からイラク撤退と北大西洋条約機構(NATO)からの脱退も求めている「アタック」が得票率9%をとりました。

 社会党のスタニシェフ党首は「社会党の政策が信任を受けた」と勝利宣言しました。しかし、事前の世論調査で予想された約40%の得票率には至りませんでした。同党首は「経済、社会改革を推進する民主勢力で強い政権をつくろう」と保守政党にも協力を呼びかけました。

 ブルガリアではサクスコブルクゴツキ首相の率いる現政権が、米国の対イラク戦争に積極的に追随し、四百六十人の部隊をイラクに派遣、現在までに十三人の兵士が死亡しています。世論調査で国民の75%前後が「イラク派遣部隊の撤退」を求めており、社会党とアタックが勝利したことは、国民の声が選挙に反映されたといえます。現政府は今年末までの撤退を約束していますが、社会党の勝利により、イラク撤退期限が短縮される可能性が濃厚です。

 現政権はまた、国際通貨基金(IMF)とともに緊縮政策を進めてきました。国営企業の民営化、規制緩和、補助金削減が実施され、国民の批判が高まっていました。新政府が、二〇〇七年の欧州連合(EU)加盟へ向けて、どのような経済政策を取るのかが問われています。

 社会党は少数民族のトルコ系政党「権利と自由運動」との連立政府を模索していますが、過半数には達しないため、他の政党との連立を予想する声も出ています。


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