2005年6月27日(月)「しんぶん赤旗」

イラク 主権移譲1年 治安泥沼

米軍攻撃続き住民犠牲


 【カイロ=小泉大介】二十八日に「主権移譲」から一年を迎えるイラクで治安が悪化の一途をたどっています。四月末の新政府発足後のイラク人死者は千二百人を大幅に超えています。この間、首都バグダッドや北西部を中心に米軍とイラク軍が大規模な「武装勢力」掃討作戦を実施し、民間人犠牲者が拡大する一方、これに対抗するかのように米軍や治安部隊を狙った自爆攻撃やテロが激しさを増しています。

 イラク北部モスルの西にあるキスクでは二十六日、イラク軍基地前で自爆攻撃があり、少なくとも十五人が死亡、七人が負傷しました。モスルでも同日、警察署に対する自動車爆弾攻撃があり、警官五人を含む六人が死亡、十三人が負傷しました。同市西部の病院の警官詰め所への攻撃でも警官四人が死亡、六人が負傷しました。

 中部サマラでは二十五日、イラク警察幹部宅への自爆攻撃と道路脇に仕掛けられた爆弾による攻撃で、十一人が死亡、二十人が負傷しました。バグダッド北西部では同日、迫撃砲による攻撃で五人が死亡、六人が負傷しました。北部モスルでも同日、警察車両に対する攻撃で警官四人が死亡しました。

 またこの日、西部ラマディ近郊では、武装勢力に拉致されたイラク警官八人の遺体が発見されました。バグダッド南方では、頭を撃ち抜かれた家禽(かきん)売りのイラク人五人の遺体が発見されました。

 二十三日夜には、中部ファルージャで米軍車両に対する自動車爆弾攻撃が発生。米兵二人の死亡と同十三人の負傷が確認されましたが、四人は行方不明となったままです。ロイター通信は、この不明の米兵四人も死亡の可能性が高いとしています。イラク駐留米軍は二十四日、死者のうち一人と負傷者のうち十一人は女性兵士だと発表しました。

 一方、米軍とイラク軍は首都に約五万人、北西部に数千人の部隊を投入して掃討作戦を継続しており、とくに北西部のシリア国境付近のカイムやカラビラでは戦闘機も投入した大規模軍事作戦を現在も継続しています。ロンドンに本局を置く汎アラブ通信社クドス・プレスは二十三日、子どもたちが米軍の銃撃によって命を落としている事実とともに、避難民の声を次のように伝えています。

 「米軍は空爆で診療所を完全に破壊し、三つのモスク、数十の民家を破壊しました。住民が中にいるにもかかわらず、家屋を押しつぶしています」「がれきの下には数十人の市民が取り残されていますが、私たちは近づくことができません。なぜなら、米軍はいまも町に爆弾を落とし続けているからです」


もどる
日本共産党ホーム「しんぶん赤旗」ご利用にあたって
(c)日本共産党中央委員会
151-8586 東京都渋谷区千駄ヶ谷4-26-7 TEL 03-3403-6111  FAX 03-5474-8358 Mail info@jcp.or.jp