2005年6月18日(土)「しんぶん赤旗」

衆院本会議での穀田国対委員長の会期延長への反対討論

(要旨)


 日本共産党の穀田恵二国会対策委員長が十七日の衆院本会議で行った会期延長への反対討論(要旨)は次の通りです。


 自民・公明両党は「議案の審議状況にかんがみ」会期延長が必要だといいますが、郵政民営化関連六法案をはじめ、障害者「自立支援」法案と介護保険改悪案の悪法の成立をゴリ押しするためのものであることは明らかです。

 そもそも郵政民営化法案は、小泉総理が今国会の最大課題と位置づけてきたものです。ところが、民営化法案が国会に提出されたのは四月二十七日。審議前から欠陥が指摘され、自民党幹部が法案修正を公言するという、きわめて異例・異常な状態で提出された法案です。

 当初から、そもそもなぜ郵政民営化が必要なのかという根本が問われてきました。小泉総理は「郵政公社を分社化し民間会社にすればすべて良くなる」と繰り返すだけで、いまだに国民が納得できる説明をしていません。それどころか、審議すればするほど法案の欠陥が露呈しています。

 郵便局は身近で役に立つ存在です。国民の零細な資金を安心して預けることができるのが郵便貯金です。民営化法案は、郵便貯金・簡易保険を単なる銀行・保険会社に変質させ、全国一律の郵便局ネットワークをずたずたにすることが、わが党の追及で明らかになりました。

 政府の「骨格経営試算」で、郵便貯金銀行が完全民営化される二〇一六年度には六百億円もの赤字、郵政公社のままなら千三百八十三億円の黒字になることが明らかになり、民営化会社の経営が成り立たないことが浮き彫りになりました。

 郵政民営化の最大の目的は、大銀行・生保業界や米国金融資本の要求で、庶民の資産である三百四十兆円の資金を日米の巨大金融資本に明け渡すものであることがはっきりしているのです。

 国会法は、通常国会の会期を百五十日と規定(一〇条)し、常任委員会・特別委員会は「会期中に限り、付託された案件を審査する」(四七条一項)、「会期中に議決に至らなかった案件は、後会に継続しない」(六八条)ことを基本原則としています。この原則に従って、郵政民営化法案は、審議未了・廃案とし、会期を閉じるべきです。

 しかも重大なことは、会期延長が政府与党内での法案修正協議のための時間かせぎ、政府と自民党内反対派との妥協点をさぐる「党内調整」を目的としていることです。

 与党内の調整もついていない法案を国会に提出したこと自体、重大な問題ですが、調整さえつけば、いっきに衆院通過、参院での成立を図る方針ともいわれています。これでは、国会の審議などどうでもよいという姿勢にほかなりません。国会を軽視し、議会政治と主権者国民を愚弄(ぐろう)する与党の態度は言語道断です。

 政府がどうしても郵政民営化をしたい、法案成立のため与党内調整が必要だというなら、国会をいったん閉じて廃案にし、国民の声を聴いて法案を練り直し、改めて臨時国会を開くのが、国会の最低限のルールにたった対処ではありませんか。

 直近の世論調査でも、「郵政法案は今国会で成立させるべきだ」は16%にすぎません。政府・与党はこの国民の声に真摯(しんし)に耳を傾けるべきであります。

 さらに、大幅会期延長によって、郵政法案以外にも、国民に負担を押しつける悪法の成立をはかろうとしていることも看過できません。

 今回の大幅会期延長に断固反対します。


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