2005年6月17日(金)「しんぶん赤旗」

介護保険改悪案を強行

参院委 自・公・民が可決

高額入所費 軽度者の利用制限


 特別養護老人ホームなどの施設入所者から「ホテルコスト」の名で居住費、食費を全額徴収し、軽度者が利用する訪問介護サービスを制限する介護保険改悪法案が十六日の参院厚生労働委員会で、七十人を超える傍聴者が詰めかけるなか、自民、公明、民主の賛成多数で可決されました。日本共産党、社民党は反対しました。


「制度本来の姿」民主党は正当化

小池氏反対討論

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小池晃議員の質問を見守る傍聴者=16日、参院厚生労働委

 反対討論に立った日本共産党の小池晃議員は、「軽度者へのサービスが介護状態を悪化させる」という厚労省の説明とは正反対の調査結果が出るなど、「新予防給付」導入の根拠が「ことごとく破たんしている」と強調。施設入所者からの「ホテルコスト」徴収により、年金収入を超える負担になる人もいること、「地域支援事業」創設で、高齢者の保健福祉事業などの国庫負担が減らされ、介護予防に逆行する結果になることなどを指摘。「国庫の支出削減を目的に、給付の削減と国民負担増ばかりを押しつける本法案は、改革の名に値しない」と批判しました。

 採決に賛成した民主党は、山本孝史議員が、賛成討論で「新予防給付」を「介護保険制度本来の姿に戻ろうとするもの」と正当化し、施設入所者への負担増も「在宅と施設とのバランスから、負担を求めるのはやむを得ない」と開き直る始末。法案質疑では、介護保険料徴収年齢の引き下げや、高齢者への医療費負担増を求める医療制度「改革」の「確約」を政府に求めるなど、介護だけでなく、社会保障制度全体の改悪推進の立場をいっそう鮮明にしました。

 採決後に国会内で開かれた抗議行動で、小池氏は、「オール与党で悪政を進める自公民の姿を地元に伝えてください。介護を必要とする人からサービスを奪うのを許さないたたかいを広げましょう」と訴えました。


志位委員長が抗議

 日本共産党の志位和夫委員長は十六日、国会内で記者会見し、同日の参院厚生労働委員会で介護保険改悪法案が自民、公明、民主の賛成多数で可決されたことに対し、「きびしく抗議する」と表明しました。

 志位氏は、同法案が軽度の要介護者からサービスを取り上げ、施設入所者からも高額な食費や居住費を徴収し、「二重三重の負担増と給付の切り捨てを冷酷な形で進めるものだ」と批判。成立までにはまだ参院本会議での採決が残されていることをあげ、「国会内外のたたかいで廃案へ力を尽くしたい」とのべました。


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