2005年6月15日(水)「しんぶん赤旗」

介護改悪法案

予想される孤独死

紙議員 サービス切り捨て批判



グラフ

 「サービスを受けられなければ孤独死が想像される場合でも打ち切るのですか」――十四日の参院厚生労働委員会で、日本共産党の紙智子議員は、介護保険改悪法案による軽度者への訪問介護サービスの切り捨てへの現場の不安に触れ、「必要不可欠なサービスは切り捨てないと明言すべきだ」と迫りました。

 紙氏が示したのは、肝硬変とがんを患い、風呂の掃除や布団干しができず訪問介護を利用している札幌市の七十一歳の女性のケース。調査員は、サービス制限で最悪の場合は孤独死も予想されると言っています。

 尾辻秀久厚労相は「孤独死に至るようなサービスカットは考えていない」と答えました。

 改悪案で十月実施とされる施設入所者の居住費・食費の全額自己負担の問題で、紙氏は、札幌市の特別養護老人ホーム入居者の実態(グラフ参照)を示しました。年金は月額八万三千四百円で、これまでは利用料の一割負担と食費を合わせて五万円余だったのが、改悪案により一割負担と居住費・食費の合計が八万五千円を超えてしまいます。

 紙氏は「実態を把握しているのか。これでも負担せよというのか」と追及。社会福祉法人による利用者負担減免制度については、法人の持ち出しが多く、経営への影響が大きいとして改善を要求しました。

 尾辻厚労相は「国、都道府県での公費でもっている分で十分支えるようにしたい」とのべました。


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