2005年6月7日(火)「しんぶん赤旗」

尼崎市議選8人全員当選 兵庫

対決軸鮮明 他党守勢に

空中回廊のムダや「税金で宴会」暴露


 「おめでとう!」「暮らしをよくするためにぜひがんばって」――尼崎市議選から一夜明けた六日朝、宣伝する党市議に激励や期待の声、握手が次つぎと寄せられました。東京都議選(七月三日投票)の前哨戦としても注目され、国会議員を大量に投入するなど各党が総力を挙げた大型選挙。日本共産党は、八候補が全員当選して過去最高の議席占有率となり、得票率も前進。大きな成果を築きました。 (兵庫県・喜田光洋)


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全員そろって決意を述べる(左から)早川進、義村玉朱、松村ヤス子、田村征雄、広瀬早苗、今西恵子、辻修、高橋藤樹の8氏=6日午前、兵庫県尼崎市

 同市議選は、定数三減の四十五に、前回より七人少ない六十一人が立候補。前回当選十人の公明党が十一人を擁立し、前回は公認候補二人、推薦候補二人が当選した民主党が公認二人、推薦八人を立てるなど、政党公認・推薦候補が全体の61%を占め、政党間闘争の様相が強まりました。

議席占有率過去最高に

 結果は、日本共産党が、八人全員当選して現有議席を維持し、議席占有率が17.78%となり過去最高に。合計二万四千七票で、昨年の参院選比例票より千九百十七票増。前回比では、4.25ポイントも下がった低投票率(48.45%)のなかで、得票は九百四十五票減りましたが、得票率は12.86%から13.47%に前進しました。

 冬柴鉄三幹事長の地元である公明党は、十一人当選したものの、前回当選と同じ四人当選した自民党は得票・率とも減らし、前回当選五人の社民党は当選三人で、同じく得票・率とも後退。民主党は「二大政党づくり」へ「次の選挙で政権をめざすために尼崎で全員当選を」(四月、小沢一郎副代表)などと位置づけましたが、推薦四人が落選。当選は公認二人、推薦四人でした。

 選挙戦は、税金のムダ遣いをやめさせ、住民の利益第一に行動する日本共産党か、ムダと議員特権を温存し、住民犠牲を押しつける自民・公明・民主・社民か―の対決が鮮明になりました。

 日本共産党は、「暮らしが深刻だからこそ、住民奉仕の原点ですすめます」と、▽国保料の減免復活で一万円引き下げ▽乳幼児医療無料化を小学校就学前まで拡充▽住宅リフォーム助成―など五つの緊急提案を財源もしめして訴えました。

 阪神尼崎駅北の「空中回廊」(巨大な立体遊歩道)建設を中止に追いこみ、同和事業を是正させるなどムダをやめさせた実績や、議員報酬の一割引き下げを提案したこと、逆に自民、公明、民主、社民は、大型開発をすすめ、同和事業にはものをいえずに財政破たんをつくったこと、議員報酬引き下げも否決し、住民負担増を市に迫ってきたことなどを明らかに。また、これらの党が、行政視察中の酒付きの夕食を公務扱いにして、税金で宴会をしていることを暴露したのは、大きな反響をよびました。

 他党は守勢に回り「(共産党提案の)議員報酬の引き下げなどみみっちい」(公明候補)などというだけで、まともに反論できませんでした。

宣伝と対話支持広げる

 他党が日本共産党落としに焦点を定め、公明党が自民系候補を応援したり、「ウソつき」「なんでも反対」などの反共デマ宣伝が激しくおこなわれました。日本共産党の候補者カーやポスターが傷つけられるなど卑劣な妨害も頻発。日本共産党は、ムダ遣いの告発を中心にした駅頭宣伝用の「尼崎民報」号外を毎日発行するなど創意も発揮し、「唯一市民の願いにこたえる党候補を一人も落とすわけにはいかない」と宣伝と対話・支持拡大を広げました。


親身に相談に乗ってくれる

 尼崎商店連盟専務理事の塩崎博さんの話 尼崎でも小売業の売り上げ減少が激しく、廃業する店が後を絶ちません。一軒の商店がつぶれると、従業員も含めその数倍の失業者が出ます。小売店だけでなく日本全体が窒息死してしまいそうです。今回、共産党が八人全員当選しましたね。大型店規制などの政策は私たちにとって切実です。さらに多くの市民に政策を訴えてほしいと思います。

 小田南中学PTA役員の宇高なつ子さんの話 私の子どもと同じ学校に通う子を通じて共産党市議と知り合いになりました。住民の身近なことにも親身になって相談に乗ってくれる。ほかの議員がいえない問題を追及する。そんな立場で活動する人が八人とも当選してよかったと思います。子どもを育てにくい時代です。学童保育の充実や小学校入学前までの医療費無料化にがんばってほしいです。


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