2005年6月1日(水)「しんぶん赤旗」
個別労働紛争 04年度16万件
解雇・賃下げ…相談が急増
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大企業などによる強引なリストラで、解雇や賃下げなど労働者個人と雇用者の間のトラブルが急増しています。厚生労働省がまとめた二〇〇四年度の個別労働紛争解決制度の施行状況では、八十二万三千件の労働相談が寄せられ、そのうち個別労働紛争の相談件数は十六万件を超えました。前年に比べて約二万件、13・7%も増えています。
内訳は、解雇にかんする相談がトップで27・1%です。次いで、労働条件の引き下げ16・0%、いじめ・嫌がらせ8・1%、退職勧奨7・0%の順になっています。
これらの相談のうち、都道府県労働局に設置されている、紛争調整委員会(弁護士や大学教授など学識経験者で構成)にあっせんを申請したケースは六千十四件(前年比12・4%増)。解雇にかんするものが最も多く四割を超え(40・5%)、労働条件の引き下げ13・0%と続いています。
あっせんで当事者間で合意が成立したのは、半数近くの二千六百三十八件(44・9%)です。
紛争当事者の一方が手続きに応じないなどの理由であっせんを打ち切ったケースはこれを上回る二千七百件(45・9%)ありました。申請の圧倒的多数(98%)は労働者で、雇用者が応じず打ち切った事例が大半です。
申請した労働者のうち正社員は、ほぼ三分の二(62・8%)、パート・アルバイトが19・1%、派遣労働者・期間契約社員が13・0%です。労働組合のない事業所の労働者からの申請は71・1%となっています。
全労連には昨年一年間で、一万六百件を超える労働相談が寄せられました。坂内三夫事務局長は「私たちの労働相談や弁護士のみなさんの『一一〇番』への相談を加えると、日本中でものすごい数の個別労働紛争が起こっています。来春には、紛争をすみやかに解決する目的の労働審判制度もスタートします。全労連は全都道府県に常設労働相談所を設置し、いつでも相談を受けつけています。労働者が泣き寝入りしないため、力を尽くしたい」といいます。
日本労働弁護団は四日、「全国一斉労働トラブル一一〇番」を実施します。弁護団本部 電話03(3251)5363。