2005年5月26日(木)「しんぶん赤旗」

JR西脱線事故から1カ月

ダイヤ・ATS…問題噴出

民営化で検査延伸 「ブレーキに甘さ」の声も


 発生から一カ月たったJR福知山線の脱線事故は事故原因の調査が続いていますが、高速ダイヤや速度制限型のATS(自動列車停止装置)未設置、乗務員いじめの「日勤教育」など、さまざまな要因が明らかになってきました。その根源にあるのは、利益優先・安全軽視のJR西日本の企業体質と、安全の規制緩和をすすめてきた政府の方針です。そのなかで、車両のさまざまな問題点も浮かんでいます。


 事故を起こした車両は制限速度の七十キロを大幅に超える百キロ超のスピードで事故現場のカーブに進入し、脱線しました。

 さまざまな角度から要因があげられています。

 「207―17(Z16)」と呼ばれる事故車両は、事故当日、始発駅や途中駅で、所定位置に停止できずに非常ブレーキを作動させました。そのことがダイヤに遅れを生じさせ、運転士が回復運転を焦るひとつの要因になりました。四月に事故車両に乗務したある現役運転士は証言します。

 「以前からあの車両は、停車前の低速になるとブレーキが甘くなり、停止までの距離が伸びるクセがあった。ブレーキ力を上げないと停止位置に止まらない。高速から早めにブレーキを入れ低速にしないとダメで、オーバーランしやすい車体だった」。別の運転士も「207―17は、百二十キロ出している直線からブレーキをかけてもなかなか落ちないときがある。ブレーキのタイミングを早くとらないと間に合わない」と語ります。

 事故車両は、四十八カ月(または走行距離六十万キロ)ごとにおこなわれる「要部検査」のため工場に入る矢先の事故でした。

 一九八七年の民営化以降、安全対策を緩める「規制緩和」を政府が進めるなかでJR西は九九年、207系など新型車両の要部検査の周期を、三年(三十六カ月)または走行距離六十万キロから、四年(四十八カ月、走行距離は同じ)に延伸しました。

 福知山線のある現役運転士は、「運転区所でおこなう三カ月に一回の検査では運転台のモニターでしかブレーキの利き具合を確認しない。だから運転士がブレーキが甘いと感じていても、モニターで問題がなければ見落とされてしまう可能性がある。運転士から不具合が申告されている車両は乗客を乗せた状態でも走行テストをおこない、ブレーキの総点検をして必要な修理をおこなうべきだ」と語っています。

 また、別の運転士は「高速ダイヤで性能の限界まで酷使する車体は消耗が激しいのに、検査周期を伸ばすのは安全軽視だ」と批判しています。

 こうした車両の問題点も解明点のひとつです。


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