2005年5月18日(水)「しんぶん赤旗」

暴力集団の“泥合戦”

改憲反対運動に入り込む「革マル」と「中核」


 憲法改悪反対の世論と運動が高まるなかで、憲法問題での共同のとりくみや平和運動に、各地で「とめよう戦争への道!百万人署名運動」や「憲法9条―世界へ未来へ 連絡会」(「9条連」)、「報復戦争に反対する会」などを名乗る団体が潜りこんできています。これらは一体どんな団体なのか、見てみましょう。

写真
ニセ「左翼」暴力集団の機関紙とビラ

互いに暴露

 これらの団体は市民運動の装いをこらしています。ところが、その実体を、ニセ「左翼」暴力集団――これまで「内ゲバ」を繰り返してきた「中核派」と「革マル派」が、互いに暴露しあっています。

 「中核派」は、「9条連」について「カクマルが、にわかに『改憲阻止』なるものをペテン的に掲げてうごめき始めている。『憲法九条―世界へ未来へ連絡会(九条連)』を押し立てて『改憲阻止』をわめいているのだ」(機関紙「前進」二〇〇〇年七月三十一日号)と非難しました。

 また「『報復戦争に反対する会』はカクマルの偽装団体だ!」「この会は、9・11反米ゲリラ闘争以降に、カクマルによって作られた」(「前進」〇二年六月十日号)などと書いてきました。

 一方「革マル派」は、「『百万人署名運動』を隠れ蓑として組織的延命を図ろうとする中核派の陰謀」(各地で配布したビラ)と宣伝してきました。

自ら示す深い関係

 「中核派」「革マル派」がこれらの団体と深い関係をもっていることは、みずからの発言からもうかがえます。

 現に「中核派」は、政治局アピールで「百万人署名運動の新たな取り組みを力強くやりぬこう」(「前進」〇四年一月一日号)と訴えています。

 「革マル派」も、「9条連は…平和運動を市民的な規模において広めるための運動体なのであって、この運動体が開催する諸もろの集会やその時どきにおこなわれる共同行動は、戦争に反対し、平和を守り、また『厭戦』・『非戦』を悲願とするあらゆる市民を結集する場たらしめなければならない」(機関紙「解放」二〇〇〇年十月二十三日号)と書いています。

 また「報復戦争に反対する会」は、〇一年十月の米軍によるアフガニスタン空爆開始直後の発足集会で「第三次世界大戦が勃発する危険性が高まっている」とする「問題提起」をおこなっています。これは「革マル派」の「ブッシュ政権による戦争放火は…第三次世界大戦へと発展する危機をいよいよ高めている」(「解放」〇二年一月一日号)とする情勢論と、うり二つです。

狙いは共産党打倒

 市民団体を装って憲法運動に接近する「中核派」「革マル派」は、まじめに憲法改悪に反対する立場に立っているのではありません。その最大のねらいは、日本共産党の打倒であり、民主的な運動のかく乱・破壊です。

 それは「労働者階級は日本共産党と大胆に決別し、彼らをのりこえ、打倒して、21世紀革命の勝利へ突き進もう」(「中核派」、「前進」〇五年一月一日号)とか「日共系の憲法改悪反対闘争をのりこえ、改憲阻止・反戦反安保闘争の高揚をきりひらく」(「革マル派」、「解放」〇五年五月二日号)などとのべていることにも示されています。

テロを賛美

 その一方で「中核派」「革マル派」は、〇一年の9・11テロ事件のとき、ここぞとばかりテロリストを絶賛しました。「中核派」は、「9・11反米ゲリラ戦争は…民族解放戦争だった」と評価し、「米帝に、帝国主義全体に、本質的・実体的に決定的な世界史的な大打撃を与えた」と意義づけました(「前進」〇二年一月一日号)。

 一方「革マル派」は、「〈9・11反米ジハード自爆〉事件は、ソ連崩壊後のアメリカ一超支配の終焉の始まりを告知した画歴史的事態にほかならない」「ムスリム戦士達の『反米・反権力』の固い意志に共感する」とほめあげました(「解放」〇二年一月一日号)。

 数千もの市民の命を奪う無差別テロは、どんな理由や背景があろうとも絶対に許されない卑劣な犯罪行為です。それを賛美するのは、彼ら自身がこの日本で「内ゲバ」殺人を重ねてきたことからも明らかなように、陰惨なテロ体質をもっているからです。テロ賛美の姿勢に「中核派」「革マル派」の暴力集団としての本質が露呈しています。

 憲法改悪反対の国民的共同を広げるためには、これらの集団の本質を明らかにし、その策動を許さないことがきわめて重要です。


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