介護保険改悪のひどさが国会ではっきりしたのに

　陽子　介護保険改悪法案が衆院の厚生労働委員会を通ったわね。週明けの十日に本会議で可決しようとしている。

　夏江　改悪案では家事サービスの利用を制限するんでしょう。いなかのおばあちゃんが「要介護１」で家事をヘルパーさんに頼んでいるの。これからはヘルパーさんを頼めなくなるかもしれないと心配してるわ。

　陽子　要介護度って数字が大きいほど重くなる。政府は軽度者の状態が現状より悪くならないように予防活動を行うと言うけれど、だからといっていまのサービスを削ることないわ。

　夏江　ヘルパーに頼ると自分でできることもできなくなるって政府は言うのよ。小泉首相は、軽度者への家事サービスは介護の状態の維持・改善につながっていないなんて言っている。

　陽子　ひどいわ。

　夏江　うちのおばあちゃんは、ヘルパーさんをすごく楽しみにしているけど、甘えちゃいけないからって遠慮して回数は少なくしているの。

　陽子　衆院の委員会では、日本共産党の山口富男議員が政府の言い分に根拠がないことを資料で明らかにしたわ。厚生労働省による全国の実態調査なんだけど、要介護１の在宅サービス利用者の八割以上が、状態を維持か改善しているの。小泉首相の言い分は成り立たないわ。

　夏江　特別養護老人ホームなどの施設の入所者に、居住費と食費をすべて負担させようというのもひどい話じゃない？

　陽子　それも今年十月からやろうとしているの。平均で一人当たり約三十九万円もの負担が増えることになるのよ。

　夏江　自民と公明は与党として改悪を推進しているのよね。それに委員会の採決では民主党が賛成してしまったのよ。共産党と社民党が反対したのに。

　陽子　民主党の態度にはがっかりしたわね。党内では今回の改悪に反対の人もかなりいるそうよ。でも「給付の抑制」という大枠では与党と一致するから、わずかの修正で賛成したの。

　夏江　将来はもちろん、うちのおばあちゃんみたいにいま介護サービスを受けている人に直接ひびくのよ。参院でしっかり審議してほしいわ。

　〔２００５・５・７（土）〕