2005年5月3日(火)「しんぶん赤旗」

第一目標は「稼ぐ」

脱線事故のJR西日本 全社員に配布

支社長方針 「安全」は二番目


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「稼ぐ」を第一にした「支社長方針」

 JR福知山線の電車脱線事故を起こした運転士が所属するJR西日本大阪支社が、今年度の「支社長方針」の第一の柱に「稼ぐ」をあげ、四月上旬に全社員に配布していたことが二日までにわかりました。今回の事故では、国鉄の分割民営化後、列車自動停止装置(ATS)整備も不十分で安全より利益を優先してきた同社の体質が浮かんでいますが、その姿勢を端的に示すものです。

 方針文書は、第一から順番に五つの課題を掲げていますが、利益を出すことをめざす「稼ぐ」が第一。「安全安定輸送」を「目指す」が第二になっています。

 支社長は、「稼ぐ」の目標のなかで「輸送では私の夢として、新快速・快速ネットワークをもっと充実していきたい」「通勤特急を…各線区へ拡大していくこと」などをあげています。

 他方、「安全安定輸送」のなかには、「経費節減 身近なコスト削減と駅区あるいは部門をあげてのコスト削減を」という項目が盛り込まれています。

 JR西日本は、〇四年度決算で、営業収益では運輸収入増などで五十一億円の増収。これは支社長のいう「新快速・快速ネットワーク」などを売りに、私鉄との集客競争に勝った結果で、事故を起こした福知山線も“ドル箱”路線でした。

 JR西日本では、人為ミスなどによる重大な「責任事故」が昨年度約六十九件発生、前年度の三十七件から急増していました。JR西日本の村上恒美安全推進部長は一日の会見で、「稼ぐ」を第一の柱にした方針について「支社長が支社としての考えをのべたもので、コメントできない」と語りました。


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