2005年4月29日(金)「しんぶん赤旗」

代用監獄恒久化の懸念

井上議員 監獄法改正案で質問

参院委


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質問する井上哲士議員=28日、参院法務委

 二十八日の参院法務委員会で日本共産党の井上哲士議員は、刑事施設受刑者処遇法案(監獄法改正案)にかかわり、代用監獄(警察の留置場への長期勾留)の問題を質問しました。

 今回の改正では、裁判で刑の確定した受刑者の処遇改善を急ぐため、代用監獄などの未決拘禁者の処遇問題は今後の協議にゆだねられています。

 井上氏は、代用監獄に対して、国連人権規約委員会が厳しく批判していることを示し、本法案で代用監獄の存続を前提とした非常に詳細な規定を設け、さらに、警察庁長官による警察留置場の「巡察」という新たな規定を設けることは、「代用監獄の恒久化につながるのではないか」とただしました。

 警察庁の安藤隆春長官官房長は「今後、行われる代用監獄制度に関する議論に対して、影響を及ぼすものではない」と答えました。

 井上氏は、幅広い国民の声をもとに議論したことで刑務所の改革が進められたとし、今後の代用監獄のあり方の論議についても、行刑改革推進委員会の顧問会議を活用するなど、「有識者による意見の反映が必要だ」とのべ、法務省の姿勢を問いました。

 南野知恵子法務相は、代用監獄制度や未決拘禁者などの処遇に関して、「検討する機関の設置の是非も含めて、引き続き協議を行い、できる限り早期に監獄法の全面改正を実現したい」とのべました。


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