2005年4月17日(日)「しんぶん赤旗」

介護保険改悪

高齢者の支え奪う

利用者や事業者が討論


 国会で改悪法案が審議されている介護保険制度の見直しについて考えようと「これでいいのか 介護保険!」と題した第二回介護フォーラムが十六日、東京都内で開かれました。利用者や事業者ら約三百六十人が参加しました。

 鈴木篤・東京民医連会長が主催者としてあいさつ。要介護1と認定された軽度の高齢者に対する在宅サービスが、八割を超える利用者の状態の「維持・改善」に役立っていることが国会での日本共産党の山口富男衆院議員の質問によって明らかになったと紹介しました。「状態の維持・改善につながっていない」と、軽度者の在宅サービスの制限をもりこんだ改悪法案の論拠が崩れてきていると指摘。「この一カ月が正念場。法案の本質や問題点を広く知らせ、全力をつくし改悪を阻止しよう」と訴えました。

 東京・足立区の南葛勤医協理事長の増子忠道さんは、改悪案はサービスの切り下げと負担増をおしつけるもので「現場の矛盾をいっそう深める」とのべました。

 文京区の民間事業所の女性ヘルパーは、安い賃金と過酷な労働条件から「介護の仕事では生計が立てられない」とボロボロになり辞めていくヘルパーがたくさんいると発言。「ケアマネジャーから軽度の人の家事援助の仕事を今月から半分に減らし、来月からはなくすよういわれている」と法改悪の先取りともいえる現場の実態を報告しました。

 東京・渋谷区の「代々木病院友の会」の田中英子さんは、同区内で行ったアンケートで軽度認定者の半分以上がヘルパーの介護がなければ生活に不自由をきたす状況だとのべ「改悪法案は、歩いている人のつえをとるようなものです」と怒りをぶつけました。


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