2005年4月13日(水)「しんぶん赤旗」

米国支持候補通らず

米州機構事務総長選で初


 【メキシコ市=松島良尚】米国、カナダと中南米三十三カ国でつくる米州機構(OAS)の事務総長を選ぶ選挙が十一日、ワシントンで行われ、チリのインスルサ内相と、米国が支持するメキシコのデルベス外相の二候補とも同数の十七票という表決が五回繰り返されました。このため、新たな立候補も認めるやり直し選挙を五月二日に実施することになりました。

 OASは一九五一年に発足した地域機関。四七年結成の軍事ブロックである米州相互援助条約(リオ条約)と連動し、軍事干渉正当化やキューバ封鎖など米国の中南米支配の道具にされてきました。米国支持の事務総長候補が選出されなかったのは初めて。ベネズエラのベア紙は「米政府は失敗した」と報じました。

 選挙には米国が支持を表明していたエルサルバドルのフロレス前大統領も立候補していましたが、同候補は選挙直前の八日、立候補辞退を表明。「勝つ可能性が小さいとみて、米政府はデルベス候補を支持する策動を開始した」(ペルーのラレプブリカ紙十日付)などとみられていました。

 インスルサ候補には、ブラジル、ベネズエラなど、主な南米諸国と、かなりのカリブ海諸国が投票したもようです。

 同候補は選挙後、「われわれは持ちこたえた。大きな圧力にもかかわらず、五回の投票とも確固とした支持が維持された」「われわれは、米州の一部のためではなく、米州諸国全体のための計画を提案してきた」と述べました。

 インスルサ氏は、一九七〇年代の人民連合政権を率いたアジェンデ元大統領の顧問などを歴任。デルベス氏は世界銀行で十四年勤務したエコノミスト。


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