2005年4月9日(土)「しんぶん赤旗」

第三回中央委員会総会

志位委員長の結語


三中総は、明るく展望の出る会議として、成功をおさめた

 みなさん、二日間の会議、ご苦労さまでした。幹部会を代表して討論の結語をおこないます。

 討論では三十八人が発言し、全国では約五千人がリアルタイムでCS通信を視聴し、約八百人から感想がよせられました。討論でも、全国の感想をみても、幹部会の提起は、たいへん積極的に受けとめられたと思います。

 しかも、憲法改悪反対をはじめとするたたかいの課題でも、「第二十四回党大会をめざす党勢拡大の大運動」でも、たいへん実践的に受けとめられているのが特徴であります。「提起がよくわかった」というだけではなくて、「この提起をふまえてどう実践するか」という決意や抱負がたくさん語られているのが特徴となっています。

 三中総が、明るく展望の出る会議として、成功をおさめたことは、ほんとうにうれしいことであります。

二中総以後の全党の努力と、幹部会報告の提起がかみあった

 結語では、討論をつうじて重要だと感じたことを、三点にしぼってのべることにします。

 第一は、二中総以後の全党のみなさんの努力と、幹部会報告の提起がかみあったということであります。

 青森県の堀さんは、「昨年の党大会で『大運動』が提起されたときには、『やれるだろうか』と寝ないで考えたが、今回は『よし、やってやる』と素直に受けとめられた。その根本には二中総後の党の変化があると思う」と発言しましたが、こうした受けとめが、二日間の討論でも、全国からの感想でも、共通して出されていることは重要です。

 幹部会報告では、二中総後、「決定をつかんで足をふみだした党員が、奮闘いかんでは情勢は変えられる、前進がかちとれるという、手ごたえ、展望をつかみつつある」とのべましたけれども、討論ではこのことが豊かに語られました。

 全国各地で、国民の要求にこたえたたたかいが、新たな力強さをもって広がっていることが報告されました。とくに憲法問題では、草の根の「九条の会」が、地域、職場、学園でどんどんつくられ、宗教者、文化人、知識人、弁護士など、分野ごとにも幅広い人々を結集して前進していることが、多くの発言で語られました。基地問題でも、沖縄の赤嶺さん、神奈川の小池さんから、島ぐるみのたたかい、自治体あげてのたたかいの新たな高揚が生まれていることが報告されました。

 新しい綱領学習が本格的に開始されたことが、党を変えつつあることも、こもごも報告されました。不破議長の『新・日本共産党綱領を読む』などを使っての学習が広がり、そのなかで、「学ぶ楽しみ、喜び」が広がっていることは大切なことであります。ほんらい、学ぶということは難行苦行ではなくて、生きる糧(かて)、喜びを得ることです。そういう運動としてはじまっているというのは、たいへん重要なことであります。

 中間地方選挙での前進の教訓も語られました。地方自治体をめぐる矛盾がいよいよ深刻になっているもとで、正確な論戦とすべての党員・支持者の力をくみつくせば、前進の可能性が存在していることが生き生きと報告されました。そのさい、長崎の山下さんが、「有権者は、ただ地方政治のことだけで政党を選んでいるわけではない。いまの小泉政治はあまりにひどい、それなのに民主党も同じだ、ここは共産党に伸びてもらわねば、という声が広がっている」とのべたように、国政レベルの情勢の変化が作用していることも重要であります。

 報告でものべたように、「二大政党制」の正体が明らかになった。これは国政での「オール与党」化にほかならない、ということがみえやすくなっている。ここには情勢の変化があります。

 参議院選挙の悔しい結果から教訓をひきだし、全党の努力によってこうした変化、前進をつくりだしてきた。これはわが党の不屈性をしめすものとして、ほんとうに貴重なものだと考えます。

 幹部会報告では、全党がこうした努力をしてきたうえに、党勢拡大が党活動の「突破すべき最大の弱点」となっていることを直視して、「大運動」を提起したわけでありますが、それが党の努力、そして到達点にかみあったものとして、歓迎されたのだと思います。

 同時に、党勢拡大の分野は、「最大の弱点」ではありますが、この分野でもたくさんのすすんだ経験や教訓があることが報告されたことも、重要だったと思います。地区委員会レベルのとりくみでも、「五〇万の党」の目標の七割を達成している地区、二中総後連続で、「しんぶん赤旗」読者拡大をつづけている地区など、こうすれば前進できるという法則的な活動方向をつかみつつある地区委員会が生まれているという報告がありました。こうした前進の萌芽、値打ちある宝のような経験は、どの都道府県、地区委員会にもあると思います。これをほんとうに全支部、全党員のものにすれば、大きな前進は可能だということを実感させる討論にもなったと思います。

 今回の「大運動」というのは、ゼロからスタートするものではありません。いまのべてきたような、二中総後、全党の努力でつくった党の前向きの変化――憲法闘争、増税反対闘争、綱領学習、中間地方選挙、党建設などでの前向きな変化を、さらに大きく発展させながら、党勢拡大に集中して力をそそぎ、この分野の現状を打破し、大きな前進をかちとろうというのが、この「大運動」です。

 これをやりとげることは容易でないことは、いうまでもありません。これまでの延長線上にとどまらない、活動の量的・質的飛躍が必要です。しかし、多くの発言がのべたように、知恵と力をつくせばやりとげられる。この運動を成功させる条件はおおいにある。それは、二中総後の活動のなかにも、全党の苦闘をつうじてつくられつつある。このことに確信をもって、この「大運動」にとりくみ、かならず成功させようではありませんか。

若い世代――すべての中央役員が、みずから若い世代のなかでの活動を

 第二は、若い世代のなかでのとりくみが総会の討論で深められた、ということであります。

 幹部会報告では、「大運動」のスローガンの一つとして、「新しい綱領を実現するために、将来にわたって安定的に発展する党をつくろう」ということを掲げました。

 討論のなかで、中央役員がみずから、この分野でのとりくみを開拓する先頭に立っていることが報告されたことは、たいへん重要なことであります。

 京都の中井さんは、府党組織をあげて、青年・学生のなかでのとりくみを強めている経験を、発言しました。

 長野の今井さんは、大学の新入生歓迎運動に、県委員長自身も参加したとりくみを発言しました。

 愛知の八田さんは、異常に劣悪な条件のもとで働く若者のなかに飛び込み、ともにたたかった経験について発言しました。

 岡山の石井さんからは、若い世代との「交流と共同」のとりくみの広がりについて発言がありました。

 中央の専門部からも、青年・学生委員会とともに、政策委員会からも発言があり、若者の請負労働のひどい実態などを打開する重要性が訴えられました。

 ほんらい、未来への夢に胸をふくらませるべき世代が、将来への不安と耐えがたい苦しみのなかにおかれているという現状を、若い世代とともに解決することは、日本社会の未来にかかわる大問題となっています。

 若い世代の要求と悩みにこたえて、ともに考え、ともに行動する、このことの重要性も強調されました。党の都合からではなく、一人ひとりの青年にとって、ほんとうに生きがいある人生とは何かを語り合うことが大切であります。新しい綱領がここでも素晴らしい威力を発揮することは、全国の経験がすでに証明していることであります。

 そこで討論を踏まえて、一つの提案をしたいと思います。「大運動」の期間中に、すべての中央役員が、何らかの形で、若い世代のなかでの活動に、みずからとりくもうではないかという提案であります。とりくみ方は、それぞれの任務にふさわしいやり方でいいわけですが、「みずからとりくむ」というところが大事であります。直接に若者の気持ちをつかみ、若者と心を通い合わせることが大切であります。中央役員のすべてが、みずからとりくんだ実感や経験をもとに、さらにこの分野の活動を発展させ、文字どおりの「党の総力をあげてのとりくみ」にしていこうではありませんか。

決定の徹底でも、足を踏み出すうえでも、スタートからダッシュを

 第三は、決定の徹底でも、足を踏みだすうえでも、初動が大事だということであります。このことは多くのみなさんの発言でも強調されました。少なくない党組織で、すでに三中総報告をうけて、四月の積極的目標、行動計画を構えていることが報告されたことは、心強いことであります。

 中央委員会総会決定の具体化、実践のうえで、三中総決定というのは、二中総決定と違いがあります。二中総決定というのは、参議院選挙の後退を受けて教訓を引き出すことと、当面の基本方針の提起という、二つの大きな問題を明らかにしたものでした。この決定を、みんなの腹に落ちるところまで徹底するには、選挙であれだけ後退したあとですから、やはりそれなりの時間をかけた議論が必要になりました。

 今度の三中総で決定されるであろう方針は、党大会決定と二中総決定が基礎にあります。この二つの決定を、この間の情勢と経験を踏まえて、さらに発展させたものが、三中総の方針であります。

 ですから、この内容というのは、もちろん真剣な討論はおおいに必要ですが、読んでもらっただけでも、ストレートに受けとめてもらえ、どんどん足を踏みだしてもらえる、そういう内容になっていると思います。

 現に、CS通信を視聴した感想を見ても、多くの支部のみなさんから、ただちに実践に踏みだしたいという決意が、たくさんよせられています。「すぐに会議を開き、ただちに討論し、足を踏みだしたい。まず支部長である私自身が、先頭に立ちます」。こういう決意も、よせられています。

 一気にこの決定を全党のものにすることが必要です。決定を徹底しながら、足を踏みだし、さらに徹底を広げる。これが大切であります。幹部会報告で、全党員、全支部の運動にすることが、「大運動」の成功のカギだと申しましたけれども、そのためにも、スタートからのダッシュが、たいへんに大切だということを強調したいのであります。

 ぜひ、この四月から、大きな前進をつくりだし、月ごとにそれを広げていく、そういう運動にしていこうではありませんか。

都議選への全国の支援を重ねて訴える

 最後に、東京都議会議員選挙への全国の支援について、訴えたいと思います。

 このたたかいについては、東京都委員長からも発言がありました。都議団の代表からも発言がありました。同時に、佐賀の平林さんから力強いエールの発言がありました。都議会の実態を知ってびっくりしたという発言であります。石原知事の数々の暴言と暴政ぶり、それを持ち上げる「オール与党」のひどさ、そのなかで日本共産党都議団がどんな重要な役割を果たしているかを知って、いまの日本の反動の流れを打ち破るためにも、全国から支援をというエールであります。

 このたたかいを、東京のたたかいのみならず、全国の党組織がみずからのたたかいとして位置づけ、かならず勝利するために、全国のみなさんの支援をかさねて訴えるものであります。

 以上をもって討論の結語といたします。


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