2005年3月17日(木)「しんぶん赤旗」

米軍ソンミ虐殺37周年

ベトナム 各国から追悼訪問

犠牲504人に平和誓う


写真

16日、ソンミ証跡博物館の記念碑の前で献花する人々=クアンガイ省ソンミ村(鈴木勝比古撮影)

 【ベトナム中部クアンガイ省ソンミ村(現ティンケー村)=鈴木勝比古】世界を震撼(しんかん)させた米軍によるベトナム中部のソンミ村での大虐殺(老人、女性、子どもなど五百四人を殺害)から十六日で三十七周年を迎えました。この日、虐殺現場を保存・修復したソンミ証跡博物館で、虐殺生存者、遺族、クアンガイ省やソンミ村の代表、日本を含む各国の訪問団が記念碑の前で、犠牲者を追悼して黙とうし、献花しました。

地図:ベトナム

 一九六八年三月十六日の早朝、ベトナム中部、クアンガイ省ソンミ村を米軍部隊がヘリコプターで急襲しました。村人たちは家々で朝食を準備したり、食事をしている最中でした。米軍部隊は各家を襲い、老人、女性、子どもを無差別に殺しました。壕(ごう)には手りゅう弾が投げ込まれました。近くの水路に集められ、機銃掃射で殺された人は百七十人にのぼりました。

 米政府はこの事件を覆い隠そうとしました。事件が明るみに出たのは一年半後の六九年十二月です。

 米国内外の世論の追及の前に、七〇年に開かれた軍事法廷は虐殺に関与した十四人を起訴しましたが、十三人は証拠不十分で無罪になりました。有罪判決を受けたのは小隊長のカリー中尉のみ。終身刑を言い渡されたものの、その後、十年の刑に減刑され、七四年三月に仮釈放されました。

 式典に参加した米退役軍人グループの一人、ジョン・モリス氏(55)は「ベトナム戦争は米国の大きな誤りでした。イラク戦争ももうひとつの誤りです」と語りました。日本の参加者の一人、筧久江さん(73)は「戦争犯罪に対する責任が問われています。日本も人ごとではありません」と語りました。


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