2005年3月11日(金)「しんぶん赤旗」

アニメに平和託す

「ガラスのうさぎ」製作発表


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「ガラスのうさぎ」製作発表で。(右から)四分一監督、高木さん、原さんら関係者のみなさん=10日、東京

 「孫たちのさらに次の世代にも、戦争という二文字で、殺し殺される時代を作らないために」と『ガラスのうさぎ』作者の高木敏子さん。東京大空襲で母と妹を失い、疎開先での機銃掃射で父をも殺された体験を記したこの自作が、長編アニメーション映画になるにあたり熱をこめて語りました。東京大空襲から六十周年の十日午後、東京で行われた、アニメ「ガラスのうさぎ」の製作発表。高木さんや、四分一(しぶいち)節子監督、桂壮三郎プロデューサーら製作関係者が、映画に託した平和への願いをのべました。

 亡くなった肉親の「一片の骨さえ見ていない」大空襲への思いを涙も新たに語る高木さん。孫たちにすすめられてアニメ化に応じたと言います。

 アニメ化に当たり「多くの資料を目にして何度も胸がふさがる思いをした」という四分一監督。「映画の最後で(主人公の)敏子が、平和憲法はたくさんの命でできている、と話すところを実感しながら作った」と言います。

 敏子の声の役を務めた最上莉奈さん(14)は、「一日も早く地球上から戦争という恐ろしいものが無くなればいい」と語り、敏子の父親の声を演じた文学座の俳優・原康義さんは、「スタジオで何度もこみあげてきました。日本人は、憲法九条に誇りを持ち、戦争放棄を一人一人に考えてもらえれば」と語りました。

 母親の声を務めた竹下景子さんは、平和な世界を願うメッセージをビデオで寄せました。映画は、四月に完成し各地で自主上映されます。


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